ふんだんに木を利用した「森のおもちゃ美術館」

2021年12月5日(日)、家族を連れて東京都檜原村にある「森のおもちゃ美術館」に遊びにいってきました。(または視察ともいう)
ときがわ町で森や木の活用に取り組むやまなおさん一家とともに。

森のおもちゃ美術館は今年の11月3日にオープンしたばかり。
もともとこの場所は北檜原小学校があったところだそうです。

「過去から未来へ、この場所で多くの子ども達の笑顔が溢れ続けること。」

そんな願いが込められているそうです。(泣ける)

中に一歩足を踏み入れると、遊具もおもちゃも木を使ったものばかり!
木の香りと空間の雰囲気に、ワクワクした気持ちとほっこりあったかい気持ちが胸にいっぱいになります。
期待どおりというか、期待以上でした!

スタッフさんも多く、しかも若い方も多くいるようです。
レストランも入れると20人以上はゆうにいたんじゃないでしょうか。

後で調べてみたら檜原村の人口は2000人ちょっとだそうです。
もちろん働いているのは村内の方ばかりではないかもしれませんが、全人口の1%分の雇用を生み出していることになります。

創意工夫あふれる遊具とおもちゃたち

まるで遊具やおもちゃたちが、「遊んで遊んで!」と手招きをしているようにピカピカしています。
それに吸い寄せられるように自然と遊び出す子どもたち。
もう一心不乱です。

ひと通り遊び終わるともう一周、グルグルグルグル遊び回ります。

一つの遊具やおもちゃで何度も遊んでいたかと思うと、急にパッと切り上げ走り出して次の興味の向かう先へ。
子どもの行動って不思議ですね。

それにしてもここには大人の目から見ても魅力的な遊具やおもちゃがいっぱい。
いくつかご紹介します。

ボールプール
ほら穴と階段
木の滑り台
野菜とキノコの収穫体験(楽しい!)
薪割とピザ窯
薪割(磁石でくっついている)
ピザをつくって・・・
ピザ窯で
キッチンとダイニングも
ゴロゴロ・・・
ジャガイモ
これが傑作!
虫採取
ワークショップができる工房
大人の手のひらほどのダイオウマツのまつぼっくりで
クリスマスツリーをつくりました(娘作)

2階へ

小屋のような・・・
隠れ家のような遊び場
3歳未満児用の遊び場もあって安心
いろんなおもちゃが置いてある部屋
大人も真剣に遊んでた

レストラン

窓からの眺めもいい
ランチはボリューム少なめ・・・(足りん)
子ども用プレート(こっちも少なめ)

ジャガイモ焼酎を醸造する「ひのはらファクトリー」へ

ここまでせっかく来たので、こちらも2021年7月にオープンしたばかりだという「ひのはらファクトリー」へ。(ときがわファクトリーと似てる笑)

森のおもちゃ美術館から車で2分ほど。

こちらでは村特産のジャガイモを使って焼酎をつくっているそう。
9月から仕込み始めたということで残念ながら販売は来年2月頃からの予定だそうです。

広い空間が居心地よく、まだいろんな活用の可能性がありそうな気がします。

目に留まったのは木でつくられたチェーンソー。
これ動きます(カッコイイ!)

アロマの調合ができるカウンターバーのようなスペースもあって、ワークショップもできそうです。
これからが楽しみな場所ですね。

帰りは、来る途中で気になっていたお豆腐屋さんで「うの花ドーナツ」をお土産に買って帰りました。
要はおからのドーナツですが、表面がカリッとしていて中がフワフワ。
普通のドーナツに近い感じの食感でした。

圏央道を使って坂戸の住まいから約1時間の小旅行、もとい視察。
楽しい1日でした!

おまけ(山男ガチャ)

森のおもちゃ美術館に行く途中に立ち寄ったセブンイレブンで、偶然「山男のガチャ」を見かけました。
知ってはいたけど実際に目にしたのは初めて!

東京チェンソーズがこれでウッドデザイン賞を受賞したんですよね。
おもしろいですねー。

考察

最後に視察らしくビジネスの面で考えたことをメモしておきます。

【気づき1】地域外から稼いで、地域内に還元する

スタッフの方に聞いてみると土日は300人以上訪れることもざらにあるとか。
平日は少なめですが、神奈川県や静岡県の方からも来る人がいるんだそうです。

入館料はちょっと高めで中学生以上は1000円、子どもは6カ月未満は無料、6か月から小学生までは700円、65歳以上のシニアの方は500円という設定でした。
村民は中学生以上が500円のほかは無料です。

家族4人で入館料、食事代、お土産代を入れると客単価は10000円近くいくかもしれません。
村外からお金を稼ぎ雇用や木材の活用、子どもへの遊び場の提供などで村内に還元するというような明確な意図が感じられます。

【気づき2】大人が子どもを連れていきたくなる場所

何より遊具とおもちゃに込められた創意工夫がすばらしいです!
単に木を使っているだけではなく、これらの遊具やおもちゃで遊ぶことで、子どもの創造力と想像力が養われるような気がしました。

いうなれば、ただの遊び場で「子どもが行きたいと思う場所」というだけではなく、「大人が子どもを連れていきたいと思う場所」になっているのではないかと思います。

対象が子どもである場合、お金を出すのは親なので、親が子どもを連れていきたくなることが重要ではないかという気づきになりました。

【気づき3】ときがわ町でやるとしたら

最後は気づきというよりは発散思考で、もしもときがわ町でやるとしたらどんなことが考えられるかということについて考えてみました。

ときがわ町の人口は約1万人。
檜原村に比べると人口は5倍くらいいて、周辺地域からのアクセスもいいので同じような場所をつくってもかなりいけるかもしれません。

ただ反面、山間で日中も薄暗い檜原村と比べて、ときがわ町は開けたところが多く明るいので野外のアクティビティも魅力的に思えます。
あと何より同じことをしてもおもしろくない。

なので違った視点で考えてみることにしました。

思いついたのは、小学校の一角に木の遊具やおもちゃのあるプレイルームをつくることです。
考えてみたら、幼稚園や保育園は遊びの時間や遊ぶ場所がたくさんあるのに、なんで小学校には純粋に遊ぶ場所がないんだろうと思いました。

確かに校庭で遊具やボールで遊んだり、図書室で本を読んだりすることはできるかもしれませんが、なんとなく大人のお仕着せが強い感じがします。

同じ大人の意図が働いていても、おもちゃ美術館のような遊びにこだわった創造性あふれる遊具やおもちゃで遊ぶような場所が、小学校にあったらいいんじゃないだろうか。

そうすると学校が楽しい場所になり、行きたい場所になるのではないかと思いました。

勉強はつまらないし嫌だけど(そもそもつまらない勉強をやっていることも問題なのですが)、学校は好きだから行きたい!
子どもにそう言ってもらえるような学校になったらステキですよね。

子どもが学校に行くのが楽しみになればきっと学校の雰囲気も変わって、そのうち先生との関わり方も変わり、学びの場になっていくような気がしました。

現状では夢物語かもしれませんが、小学校を地域からなくさないために、子どもたちが戻ってきたくなる地域にしていくために、そんな夢のあることも考えて行ければと思います。

貴重な視察の機会になりました!