都市農山村交流実践研修会オンラインに登壇しました

2021年12月15日(水)14時~16時、埼玉県農業ビジネス支援課様主催の都市農山村交流実践研修会オンラインに登壇しました。

「地域でしごとをつくる ~地域商社・ときがわ社中の事例を交えて」というタイトルで80分間お話してきました。

越谷市役所自体からお付き合いのある県職員の方からお声かけをいただいたもので、貴重な経験になりました。(Tさん、ありがとうございます!)
事前に約100名の申し込みがあったそうで、当日も90名以上の方にご参加いただきました。

気づきや反省をメモとして公開します。

※以下、農業ビジネス支援課様からスクリーンショットをご提供いただきましたので掲載しておきます!
(ご担当のTさん、ありがとうございます!)

(これを見ると、改めて照明は考えないといけなそうですね・・・。)

当日の流れ

以下のような内容で話を進めました。

  1. オープニング
  2. 私がやっていること
  3. 具体的な事例
  4. 地域商社・ときがわ社中
  5. まとめにかえてto

ところどころでオンライン企業研修のZoomオぺーレーターで学んだ要素を取り入れてみました(参加者の疑問、参加者アンケート、期待や悩みの共有、ストレッチなど)

オンラインということで聞いているだけだとなかなか参加者は当事者感が湧きづらいと思いましたので、アンケートでは自身が地域で活動する中で感じている悩みやこの日の期待を回答してもらい、アンケート後も少し時間をとって参加者の方にお話しする時間をとりました。

こうしたアンケートや休憩後のストレッチは行政系の講演会ではなかなかないので、新鮮だったのではないかと思います。
そういう意味で実験的な試みでした。

気づき

【良かった点】

・アンケートで当事者感を持ってもらえたと思うので、やってよかった。特に悩みと期待の質問では、時間をとって3名の参加者に話を聞くことができ、リアルタイムでの双方向のやり取りができた。

・その場でアンケートに回答してもらって、集計結果を示すことができた。オンラインの強みを生かせた。

・休憩後のストレッチはリフレッシュになり、笑顔も見えた。

・質疑応答では予め質問リストを用意し、最初はそこから選んでもらった。「こんなことまで聞いていいんだ」という安心感からか、その後スムーズに質問をいただけた。

・なるべく質疑応答の時間を長くとって双方向のやり取りをしたいと考えていたので、ほぼ想定した時間通りに進められた。

・参加者リストとアンケートの回答から、どんな地域でどんな人が活動していて、どんな悩みを抱えているのかが垣間見えた。

・ときがわ町、滑川町など比企地域で活動をしているときがわ社中や私の存在をしってもらえたこと。

【反省点】

・PC2台を用意したものの、カメラ性能の低い方をメインにしてしまったため、日が傾くにつれて画面の顔が暗くなってしまった。

・話の内容が「起業」に寄りすぎてしまったかもしれない。もう少し「まちづくり」「交流」といった観点があってもよかった。

・主催が農業ビジネス支援課だったので、少し「農業」という切り口があってもよかったのかもしれない。

・部屋が乾燥していて喉が渇いてしょうがなかった。

・多くの方が画面オフになっていたので、「できるだけオンに」というアナウンスはしたものの、主催者の方からもう少し呼びかけてもらうように事前調整すればよかった。

・オンラインだから仕方ないとはいえ、終了後に直接話たり、名刺交換する機会がなく人脈づくりに十分つなげられなかった。SNSやWEBサイトはお伝えしたものの、せめて背景にQRをつけたり、メールアドレスを記載すればよかった。(配布資料でどこまで見てもらえるか疑問)

主な質疑応答

参考として、メモと記憶にある限りで、当日あった主な質問と回答を以下に記しておきます。(順不同)

Q1.コロナ禍でなかなか現地にいけず、人に会えない。オンラインだとやり取りできる人が限られる。そのような状況でいかに地域の人と関係をつくるか?

A すべての方がオンライン使えるわけではない。使える人は少数。また人によっては地域外から来る人を警戒することもある(コロナで)。
そんな中でもオープンに受け入れてくれる人はいる。そういう人に絞って何度も通うことは必要だと思う。また、会う理由をつくることも必要。(事前のお願い、当日、事後のお礼など)

Q2.自分がやりたいことと、相手が望んでいることが必ずしも合致するとは限らないと思うが、どんなふうにしごとをつくる?

A しごとの中身も重要だが、誰としごとをするかも重要。最初は信頼関係がないので、まずは相手の期待に応えて実績と関係をつくり、そこから徐々に自分のやりたいことにシフトいけるといい。

Q3.地域の外の人だけじゃなく、地域の人に自発的に動いてもらうようにするにはどうしたらいいか?

A 他人に行動を強制することはできない。やるかやらないかは相手の判断。それよりもまず自分が当事者として本気でやること。続けること。そのうち共感者、応援者、一緒にやってくれる仲間ができてくる。全員ではなく、そういう人とやればいい。

Q.「ミニ起業」に関して、農業経営の大規模化に対してどう思うか?

A それが間違いとは思わないが、唯一の正解ともいえない。大規模化を目指して勝ち残るために条件がそろっている農家は限られている。それ以外の農家でも、継続することのできる農業経営をつくることが必要だと思う。継続できないと、農業者単体だけでなく、地域全体にとっても農地が荒れるという問題もある。継続するやり方というのが一番大事だと思う。

Q5.行政だけが先走っているように思える。地域の農家さんの気持ちを引き出すにはどうしたらいいか?

A どんな関係性をつくっているかにもよるが、個人的には「悩み」や「課題」を聞くと後ろ向きになってしまうので、「これからやりたいこと」や「希望」を聞くと未来に向かって一緒に前向きに考えられるのではないかと思う。それにその方がやっていて楽しい。

Q6.やりたいことがあってご相談するとしたら、どのくらい具体的になっている必要があるか?

A ぜんぜん具体的でなくても、ジャストアイデアでも構わない。ゼロから一緒に考える方がやっていて楽しい。逆に具体的な作業としてお願いされると下請けのように感じてしまうので。特定の組織だけで考えていると凝り固まってしまうので、外部の発想を取り入れる際の一つの手段としてお考えいただければ。

Q7.最近、いろんなところで地域商社がつくられているが、ときがわ社中が考える地域商社の役割とは?

A 一般的には地域のモノを売る、買うといった機能にフォーカスしているように感じる。ときがわ社中の場合は、今使われているモノや場所の使われていない部分に、違った用途や違った価値を見つける、つくるということを重視している。
モノをつくるだけではなく、それをどう使うかという部分で、いろんな要素を組み合わせて地域の価値を引き出すことが大事だと思っている。