2022年10月15日(土)11:00~13:30、小川町コワーキングロビーNESToで開催された「小川町で考える、サーキュラーエコノミーとまちの取り組み」に参加しました。
前回の第1部のレポートに続き、第2部のトークセッションのレポートを公開します。
イベントは以下の2部構成でした。
【第1部】
安居昭博さんによる講演
・サーキュラーエコノミーとは?
・実践のための考え方
・オランダの実践と日本の実践 など
【第2部】
トークセッション
モデレーター 安居昭博さん
パネリスト 田下みえこさん(風の丘ファーム)
尾島満矢さん(小川っ子保育園 園長)
笠原和樹さん(センティード株式会社 代表取締役)
小田穂さん(NPO法人霧里学校理事/一般社団法人The Organicプロデューサー)
以下、第2部のトークセッションについて、私の理解の範囲でまとメモを公開します。
第1部のレポートはこちら。
第2部 トークセッション
第1部に引き続き、テーマは「サーキュラーエコノミー」です。
サーキュラーエコノミーを切り口として、小川町で活動する方々のいろんな実践例が紹介されました。
安居さんのモデレートのもとで議論が進みます。
自己紹介
●小田穂(こだみのり)さん
・NPO法人 霧里学校理事、一般社団法人The Organicプロデューサー
・小川町生まれ
・観光案内所むすびめに週1回勤務
・The Organicでは、環境省の事業も実施
・他地域との連携も積極的に
●田下みえこさん(風の丘ファーム)
・有機農業38年(!)
・小川堆肥組合、農業委員など
・バケツで生ゴミ堆肥
・炭素率の高いもの(もみ殻、藁、草、剪定した枝チップなど)と窒素率の高いもの(米ぬか、糞尿、生ゴミなど)を混ぜると発酵が進む。両方が必要
・床材としてもみ殻、落ち葉、米ぬかなどを使用
・落ち葉集めが一番大変。子どもたちに楽しみながら作業してもらう工夫
●笠原和樹さん(センティード株式会社)
・小川町生まれ。44歳。AB型(!)。30歳のときに帰ってきた
・製材業からオーダーメイド家具、インテリアデザイン業、大量生産から、小ロット多品種製造への転換
・ミッション「モノづくりで、人と未来を面白く」
・工場で出たおがくずを、キャンプ場や酪農で活用
●尾島満矢さん(小川っ子保育園)
・48歳。小川保育園・小川っ子保育園の総括園長。小川保育園の3代目園長
・子どもたちが自然の中で遊ぶ。遊ぶ中で学ぶ
・若手保育士8人中5人が卒園生(すごい!)
●安居さんコメント
・4人の共通点
①自分たちの事業だけでなく、小川町という地域全体のことを考えている
②今だけでなく、目線が未来に向いている
「今後のビジョンは?」
●小田さん
・小川町の魅力を伝えたい
・若い人が活躍できる環境を、先輩方につくってもらった。それを今度は自分たちが次の世代に引き継いでいく
・小川町は転出と転入がほぼイコール
・企業研修の場として、小川町の暮らしの体験を提供することを考えている
・人が来ることでお金も落ちる
・東京と小川町、世代間・地域間のつなぎ役・橋渡し役・発信役として
●笠原さん
・ものづくりを通じて、人と未来が面白くなる空間をつくりたい
・工場・倉庫は広くて使いやすい
・小ロット多品種にすることで空間に余裕ができた。開いた空間にしたい
・そのためのキーポイントは「安全」
・小学生でも気軽に来られるようにしたい。来年までに
●田下さん
・生ごみを受け入れられる場所がなくなってしまったので、新しく設けることが課題
・トラックで近くまで持ってこられて、床材を持って帰れるように
・生ゴミ堆肥を販売する難しさ。農薬を使って栽培された食材が混じっている可能性。土になりにくい。堆肥で育てる野菜への影響
・農水省の回答をもとに仲間を説得した
・一般の方に参加してもらうために、「楽しさ」は重要な要素。わかりやすく、楽しい仕掛け
安居さんコメント
・やらなきゃという義務感よりも、やった方がいいと感じてもらうことが重要ですね
●尾島さん
・地域の人に必要とされえる保育園にしたい
・園児や園児の保護者だけではなく、地域の人が交流できる場
・地域の人にも使ってもらえる薪置き場など
・若い保育士で卒園生が多いのは、自分の幸せが追求できる場所・地域だと感じてもらえているからではないか
安居さんコメント
・大分県の大学がない地域の取り組み。行政が、子どもの時期に地域の魅力を存分に感じてもらえるように取り組んでいる
・子育てする世代になって、東京・大阪よりも、地元の方がよかったと思ってもらえるように。帰ってきてもらえるように
・幼少期の環境を充実させることが一番大事
参加者からの質問
Q SDGs掲げている企業多いが、行動につなげるためのポイントは?
→(安居さん)
点で評価するより線で評価する。ある程度の時間が必要。今だけではなく、先も見据えて取り組む
Q 現在の社会システムをつくり変える必要があるとしても、どこからやればいい?
→(安居さん)
何でもやみくもにやるのではなく、優先順位が重要。優先順位は人によって異なる。業界によって、影響が大きい分野の分析結果もあるので、それを参考にするのもいい。
正義感や義務感よりも、やった方が新しいものが生まれる可能性を感じる、楽しい、ワクワクする、便利、関わった方がいいといった価値を感じることが大事。
今後に向けて一言
●小田さん
・新しいチャンレンジをするプレーヤーを増やすために、チャレンジできる安心感が必要
・小川町に注目してもらうために、大きな企業や国の影響力を使って発信していく
●田下さん
・生ゴミ処理を、特別なものではなく日常的なものにしていくこと
・時間、手間がかかる → 参加しやすい、簡単にできる、気楽にできる仕組み
・事業としてはお金を生まなくては続かない
●安居さん
・どうしても他の地域や他の人のことは気になる
・比較の問題ではない
・その地域でやっていること、やっている人を大事にする
・活動している人たちがイキイキとしている姿を見せることが大事
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