6次産業化スキルアップ研修会
こんにちは。
まなびしごとLABの風間です。
2023年2月20日(月)13:30-15:30、埼玉県農業ビジネス支援課主催の6次産業化スキルアップ研修会に参加してきました。
場所は大宮にあるM’s SQUARE。
武蔵野銀行本店の2階にある施設で、普段はコワーキングとして利用できるようです。
今回の研修会のテーマが「連携型の6次産業化」ということで、農産物加工の案件で知り合った農業ビジネス支援課の方からご紹介いただきましたので、参加することにしました。
当日のプログラムは以下のとおりです。
- 連携型の地域資源活用の取組について(花畑経営研究所)
- 朝霞市特産のにんじんを活用した連携型6次産業化(あいざわ農園)
- 地域食農連携プロジェクト(LFP)事業説明(関東農政局)
特にあいざわ農園さんの取組は具体的なケーススタディとして非常に勉強になりました。
以下、気になったことや当日のメモを書き留めておきたいと思います。
連携型の地域資源活用の取組について
講師 花畑経営研究所 代表 花畑裕香 氏
●気になったこと
・「コロナで加速した社会の変化」の「社会」とは?
いわゆる都市部を想定した「変化」であるように思われた。
地方部で起こった変化とは、都市部の社会の変化の影響によるものなのでは
・「農業者が6次化に取り組む際、意識すること」
「相手は一般消費者」→ 一般消費者とは誰か?
一般的な消費者は存在せず、ターゲットは絞り込むべきでは?
・「商品開発のポイント」
「地域資源の活用」→ 誰にとっての地域資源か?
農家の方々がみんな「地域資源」をつくっているわけではない
何をもって「地域資源」とするかはそれぞれ見方が異なる
地域資源を掘り起こす、育てる視点が必要ではないか
・小売店での催事では1日100万円以上売り上げるケースもある
→ 催事での販売で終わらず、自社の販売チャネルへの誘導が重要(禁止店舗もあるので注意)
・連携型の6次化では、コーディネーターの存在と共通目的が重要
・連携チームの初期段階で、意欲の低いプレーヤーが混じっていると、全体の士気が下がるので注意。意欲の高いプレーヤーがチームになること
朝霞市特産のにんじんを活用した連携型6次産業化
講師 あいざわ農園 相澤敦 氏
●概要
・酒販、飲食店、販売経験なしからのスタート
2019年 家業を継ぐために就農
・露地栽培 ニンジン、その他20品目
・2022年11月1日 販売開始
1週間で在庫が半分に
→ 一般販売を停止。飲食店だけに販売
1年に1度しか焼酎を仕込めない(ニンジンがとれる時期)
・朝霞市(人口14万人)の特産 ニンジン 「キャロットタウン」
→地元はどういう場所なのか?
・あるとき、スーパーで他県産ニンジンが山積みされている光景を目撃。「もったいない」
→ 地元の人にニンジンをもっと楽しんでほしい
・自分が宴会好きなので、お酒(焼酎)をつくることに
→ 続けて買ってもらえることが大事
・農林振興センターからの紹介で、茨城県の酒造会社へ
●資金づくり
・クラウドファンディングは手数料20%、サイト構築に数十万円、返礼品の発送期限6ヶ月以内(焼酎ができるのに6か月かかる)がネック
→ 仲間を募って仲間内で買う。一般から賛助会員を募る形だと厳しい(酒税法)
・仲間、協力者
●ずっと考えていたこと
・6次化の目的は何か?
・その商品で目的を達成できるか?
・誰がその商品を買うのか?
・その人はどこで買うのか?
・その人はなぜ買うのか?
・その人はなぜ買い続けるのか?
・お金を稼ぐことを目的にしてはいけない(そう思っていても語ってはいけない)
・目的 共感・賛同が得られるか? ストーリーはあるか?
●お酒であることのメリット
・お客さまは飲食店
明確な販路、ターゲット
注文数がある程度まとまることが期待できる
夜間に対応可能(日中は農作業があるため)
・贈答用としても使える
・賞味期限がない
●6次産業化商品をつくるときのポイント
・競合としてすでにある商品には、あらゆる面で負けていると考えるべき
・その中で、勝てるところはどこか?
→ 地域の特産であること、独自のストーリー
・自分というストーリー、個性も商品の一部と考える
・勝てるところに絞る、勝ちやすいところで勝つ
・「素材にこだわってつくりました」は差別化要因にならない
→ 「いい商品」「素材にこだわる」のは今や当たり前
・ターゲットに合わせて、デザイン、販路、価格設定は変わる、変えていく
→ ただそこから酒造会社への交通費、試しで使用した会計ソフトなど
・自分も商品の一部(話題性)
・メディア露出、記者クラブをうまく使う。うまくいけばお金をかけずに拡散できる
●連携型6次産業化のメリット
・設備投資がない・・・すぐ始められる・やめられる
・餅は餅屋・・・自分が専門外のことをやるより、早く良いものができる
・自分は専門分野に特化する
・本業がおろそかにならないように、時間配分することが大事
●苦労したこと
・自分一人でやることに
・ストーリーを自分のストーリーに練り直し
地域食農連携プロジェクト(LFP)事業説明
講師 関東農政局 経営・事業支援部 六次産業化係 山岸蓮 氏
・LFP=地域食品産業連携プロジェクト、ローカルフードプロジェクト
・目的は社会的課題解決×経済的利益の両立
・都道府県ごとに1つのLFPプラットフォーム
・社会課題の解決×経済性
→ 「新たな何か」=イノベーション
→ 新たなビジネスチャンス