まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!

2024年3月17日(日)の本屋ときがわ町にて、比企起業大学2023秋補講&2024春説明会を開催しました。

そこでの大きなテーマは「やりたいこととお金になること」

これは起業家にとっては永遠のテーマかもしれません。

私自身、これまでずっと考えてきたことでもありますし、ずっと悩んでいることでもあります。


また、つい先日、関根さんに事業相談させていただいた内容も、これに起因したことでもありました。

今回はインプット的な内容でしたので、セミナーの内容を振り返る意味も含めて、このブログで現時点の自分の考えを整理し、アウトプットしてみたいと思います。

セミナーまとメモ

まずは関根さんからの講義の内容をメモで振り返ります。

●まず分度を稼ぐ
分度を稼いで、余剰を推譲(二宮尊徳翁)
・期間や条件を決めた方がいい(その間にお客さまを獲得する努力を!)
・1部署の業務で一人前になるには、3年が必要と言われている
・比企起業大学で教える「お客づくり」「商品づくり」「現金のこし」を3つの業務としたら、一人前の経営者になるには約10年かかる
・まず分度を稼いで(お金になることをする)、次にやりたいこと
・分度を稼ぐことで稼ぎ方を学ぶ

●やりたいことをやる2つのパターン
・やりたいことでは「稼がない」と決める
・分度を稼ぐ中で身につけた稼ぎ方を、やりたいことに適用する

●参加者から出た意見
・お金を稼ぐためだけだと苦しくなってしまう、続けられない
・やりたいことだけやっても、お金にならなければ続かない

===

「分度を稼いで、余剰を推譲」という言葉は、これまで何度も関根さんの口から聞いてきました。

ただ、関根さん自身、比企起業大学をはじめたことで一時的に売上が下がってしまったというお話は初めて聞きました。

今回の講義で一番印象に残ったのは、分度を稼ぐことで学んだ稼ぎ方をやりたいことに適用するということと、やりたいことをR&Dと位置づけて、そこで得た知見をさらにお金になる商品づくりに活かしていくという考え方でした。

何か新しいことを始めるには、何かをやめなくてはならない。
やることを決めるよりも、(今は)やらないことを決めることの方がはるかに難しく、重要なことなんですね。

「やりたいこととお金になること」は起業家の永遠のテーマではないかと思えるテーマでしたので、自分の事業を振り返る機会にもなりました。

関根さん、貴重な機会をありがとうございました!

「やりたいこととお金になること」を考える

関根さんの講義を踏まえた上で、このテーマに対する私の考えをまとめてみます。

結論から言うと、起業・ビジネスを前提にするのであれば、「やりたいことじゃなければやる意味はない。ただ、やりたいだけでもダメ」だということです。

同じようなことは、前日行われた比企起業大学大学院第7期の活動報告会の中でも、よしきさんやずこちさんが発言していました。

「好きじゃなきゃできない。でも好きなだけじゃダメ」(よしきさん(の奥さん))


「好きなことだからやるんだけど、お客さまがいないとビジネスにならない」(ずこちさん)

まったくの同感です。

「やりたいことじゃなければやる意味はない。ただ、やりたいだけでもダメ」ということについて、もう少し詳しく以下の3つのポイントから述べていきます。

①起業家というしごと
②グラデーションがある
③「できること」

※あくまで個人的な見解なので、これが正解というわけではありません。その人その人の置かれた立場や環境は異なると思いますので、ここは注意が必要と思っています。

①起業家というしごと

「やりたいことじゃなければやる意味はない」という理由はシンプルです。

それは、お金を稼げる・稼げないにかかわらず、「やりたいことをやるために起業した」からです。

逆にやりたいことができないのであれば起業した意味がないので、安定した収入が得られるのであればそのまま会社員でいる方がいいのではないかと思います。

そのため、いくらお金になるといっても、100%やりたくないことであれば「やらない」と判断することになります。

②グラデーションがある

それに関連して、二つ目として、やりたいことには「グラデーションがある」ということです。

100%やりたくないことであれば「やらない」し、100%やりたいことだったら「やる」という判断がすぐに下せますが、そういうことは稀かと思います。

やりたいこと・やりたくないことの間には、無数のグラデーションが存在しています。

関根さんが講義の中でもおっしゃっていたように、分度を稼ぐことが楽になればなるほど、やりたくない依頼を断ることができるので、やりたいことの濃度が高くなっていくということがあるかと思います。

ただ初期はなかなかそうもいかない場面もあるかと思います。


生計を立てるためには最低限の生活費を稼がないといけないので、お金は絶対に必要だからです。

問題はどのくらいやりたいことだったらやるのか、どのくらいやりたくないことまでは許せるのかということです。

これは人それぞれで許容範囲は異なるかと思いますし、それこそ置かれた環境によっても判断が異なるので一概にどうするのがいいというのは言えません。

一つ言えるのは、やるにしてもやらないにしても、他人任せにせず自分でそれを判断するべきだということです。

「自分で考えて決める」というのが起業家の大切な精神であり、行動原則だと思うからです。

自分が決めたことであれば納得感も得られるし、逆に人に言われたからという理由だけでやってしまうと、失敗したときに「誰々に言われたから」と他責になってしまい、失敗から学ぶということができません。

それは起業家として成長のチャンスを逃してしまっていることになるのではないかと思います。

③「できること」

やる・やらないの判断をするときに、一つの尺度になりえるのが「できること」なのではないかと私は考えています。

「やりたいこと」と「お金になること」が重なるといいのですが、この2つだけだと、ときには二項対立のようになってしまうことも起こります。

そんなときに「できること」を加えてみると、少し見え方が変わってくるような気がするのです。

「やりたいこと」「お金になること」の間にあるのは「お客さま」の存在だと私は思います。

いくらやりたいことでも、必要とするお客さまがいなければお金にはなりません。

ここには2つの問題があります。

一つはそもそも欲しがっている人がいないという問題。
もう一つは欲しがっている人がいたとしても、自分にその人の困り事や不満を解消したり、価値を創造したりするスキルがないという問題。

前者は時間がかかることもあります。


まずは分度を稼ぐ中で、時間をかけて取り組んでいく必要があります。

一方、後者は比較の問題で、相手の「不」を取り除くことのできるスキルがありさえすれば、飛び抜けたスキルは必ずしも求められません。

そのため稼ぐにはまずできること(人より得意なこと)からの方が入りやすいと言えます。

相手の「不」を取り除くことでお客さまの信頼を得ることができれば、自分がやりたいことを欲しがる「ファン」になってくれるかもしれません。

実際に私も、行政とのお仕事で、最初は決まった内容をお願いされるだけだったのが(それでも十分ありがたいのですが)、信頼を得るうちに企画段階から相談されるようになるという経験をしてきました。

「やりたいこと」は自分が好きなことなので時間をかけて取り組んできたことでもあるかと思います。
ということは自然と人よりも得意なことになっている可能性が高いのです。

そのため、「できること」はお客さまに必要とされる状態(≒お金になりそうな状態)をつくる一つの切り口になるのではないかと思いました。

よく「やりたいこと」「できる(得意な)こと」「必要とされること」という3つの円の重なりのベン図が使われますが、改めてよくできているなあと感心します。

ちなみに、たまに「自分がやりたいことや好きなことがよくわからない」という相談を受けることもあります。

そういうときは、得意なこと=他人から喜ばれることを基準に仕事をしていると、その中から好きなことが見つかるということもあります。

そのため「自分がやりたいことや好きなことがよくわからない」というときにも、「できること」が大きな指標の一つとして有効なのではないかと思います。

まとめ

以上、①起業家というしごと、②グラデーションがある、③「できること」という3つの視点から「やりたいこととお金になること」について、現時点での自分の考えをまとめてみました。

特に「やりたいこと」「できること」「お金になること」の3つが重なればまさに理想&無敵!

今やろうとしていることが3つの円のどこに位置するのかを常に意識しながら、理想の状態を目指して取り組んでいきたいと思います!

ちなみに「できること」には、「自分でできないけれど仲間の力を借りればできること」という選択肢もあると個人的には考えています。

それについては過去に書いたことがあるので、もしご興味がありましたらご参考までにお読みいただけますと幸いです^^

・「Will」「Can」「Must」における仲間との共創を考える

ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございました!

この問題は今後も考え続けていきたいと思います。

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