まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!

2024年10月4日(金)~10月5日(土)にかけて、新潟県まちづくり視察ツアーにいってきました。

備忘録として視察ツアーで見聞きしたり、考えたりしたことをまとメモしておきます。

1日目(湯沢町、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市)

1日目は湯沢町、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市を巡りました。

1日でよくこれだけ回ったなあという濃密なスケジュールとなりました。

アテンドいただいた黒沢さん、本当にありがとうございます!
また、ご一緒させていただいた矢ヶ部さん、安川さん、ありがとうございました!

この日、訪れたのは以下の場所。

  • 越後湯沢駅周辺(湯沢町)
  • 塩沢宿 牧之通り(南魚沼市)
  • IKOTE(十日町市)
  • 十じろう・分じろう(十日町市)
  • 道の駅クロステン、越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)(十日町市)
  • ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。(小千谷市)
  • たこ壺(長岡市)
  • 米百俵プレイス ミライエ長岡(長岡市)

越後湯沢駅周辺(湯沢町)

大宮駅から上越新幹線で約1時間で「新潟の玄関口」である越後湯沢駅に到着。

駅の構内にはさっそく大きなお土産屋さん街がありました。
(後で分かったことですが、ここが一番大きなお土産屋さん街でした。さすが玄関口)

少し中をぶらつきます。

「ぽん酒館」はおもしろいですね!
シンプルかつ分かりやすいです。

それとやっぱり新潟県といえば「米」

明確な地域のイメージがあることは、ブランディングの上では大きな武器になりますね。

駅の外も少し回ってみます。

一時期はバブル崩壊とともに廃れてしまっていたようですが、ここ最近になって新しいお店ができつつあるなどの動きが見られるようです。

駅前の足湯はつい浸かってしまいたくなる引力がありました。

余談ですが、新幹線に乗っている途中で気づいたのですが、なぜ大宮から来てしまったのか。
熊谷経由の方がひょっとして早かったのではないでしょうか。(検証はしていませんが)

県東部に住んでいた頃の固定観念が強く残っていることに愕然としつつ、猛省。
埼玉県内だけ見ても、もっといろんな選択肢があるはず。

思考のブロックを外す必要があるなあと改めて感じたのでした。

塩沢宿 牧之通り(南魚沼市)

江戸と越後を結ぶ三国街道沿いの宿場町として栄えた塩沢宿の牧之通り。

越後上布(重要無形文化財)や塩沢紬(伝統工芸品)などの織物の産地として発展したのだそうです。
また、全国有数の豪雪地として知られているということで、雁木のあるまち並みが再現されていました。

ただ、残念ながらオープンしているお店は少なかった印象。
たまたま定休日だったのか、あるいは・・・。

こうしたすばらしい景観があるのは地域の魅力だと思うのですが、せっかく人が来てもお金を落とす場所がないのはもったいないですね。

もちろんお金がすべてではありませんが、建物や道路などの維持や修景をするにも少なからず費用がかかるはずです。
これらが長く続くためにも地域にお金が残る、将来に向けた投資が行われる仕組みが必要ではないかと感じました。

IKOTE(十日町市)

市街地の商店街に移動してランチ。

 越後妻有の6つの地域で開催中の「大地の芸術祭」で過去につくられた作品であり、今は十日町産業文化発信館ともなっているIKOTE(いこて)さん。

木をふんだんに使った空間が印象的な建物で、かまくらをイメージしているそうです。
1階は飲食店、2階はイベントなどにも使えそうな広い空間になっていました。

運営は地元の建設会社がされているとのことです。

建物の外観もおもしろく、思わず寄ってみたくなりますね。

せっかく新潟に来ていろいろ食べたいので「食べ尽くし御膳」を注文。

妻有ポークがおいしかったです!

十じろう・分じろう(十日町市)

IKOTE周辺の商店街を散策。
雨でしたがアーケードがあるので安心です。

車から見て気になった「十じろう」「分じろう」という公共施設に行ってみました。

施設は分かれていますが、機能が似ていて、「どう違うんだろう?」と不思議でした。

職員の方に訪ねてみると「十じろう」は市民活動センターでどちらかというと市民の方が静かに何かをする場所、「分じろう」は市民交流センターで地域内外の方が集まり、わいわいと交流する目的で使われているとのことでした。

聞いてもやっぱり2つを分ける意味がよく分かりませんでしたが、そういうことのようです。

分じろうは建物の屋根下に広い空間があって、キッチンスペースとつながるようになっているので、イベントなどを企画する際は雨や雪でも天候を気にせずに開催できるので使い勝手がよさそうでした。

道の駅クロステン、越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)(十日町市)

ちょうど今年度は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開催されているということで、道の駅クロステンと併設されている越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)に立ち寄ってみました。

美術館の真ん中に池があるという斬新な設計で、その周りをぐるりとアート作品が取り囲んでいました。

正直、アートはよく分かりませんでした(笑)が、近づきがたいアートというよりは身近なアートという印象を受けました。

アート作品に触ったり、アート作品の中にも入れるというのが新鮮でした。

大地の芸術祭全体のコンセプトとしては、アート作品を見ることそのものだけが目的というよりは、地域のいろんなところに点在しているアート作品を見て回ることで、地域のことを見てもらいたいということがあるとのことでした。

アートはそのためのきっかけになっているのですね。

ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。(小千谷市)

雨が降っていたこともあり、早々と薄暗くなってきた頃に小千谷市に新しく9月にオープンした「ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。」に到着。

実は黒沢さんにお声かけいただいたのも、この施設がきっかけでした。
ようやく本命にたどり着きました(笑)

足を館内に踏み入れた瞬間に、左手に子どもたちが遊べる大きな木の遊具(?)があり、これには感動しました。
まるで檜原村にある森のおもちゃ美術館のよう。

館内には本がたくさんあるので、これなら雨の日でも親子そろって1日過ごせそうです。

図書館になっているスペースも、図書館や本好きにとってはたまりません!

いろんな種類の椅子があちこちに置いてあり、スロープや本棚の配置などもユニークで、館内を歩きながら本を見ているだけでも楽しくなりますね。

もしこんな場所が住んでいる地域にあったら、毎日通ってしまうと思います。

調べたら小千谷市の人口は35,000人ほど。

この人口規模でこれだけの施設をつくるということは、それだけ自治体が子育てや教育ということを重視しているということが一目瞭然です。

子育て世代なら間違いなく、そういう地域には魅力を感じるでしょうね。

本当にすばらしい施設でした。

これからの活用も楽しみですね!

米百俵プレイス ミライエ長岡(長岡市)

日も沈む頃、この日の宿泊地である長岡市に到着。

少しの時間でしたが、夕飯までの時間で「米百俵プレイス ミライエ長岡」へ。

こちらも「ホントカ。」とは違った意味で魅力的な施設でした。

もちろん建物もユニークですばらしかったのですが、それ以上に感銘を受けたのは「米百俵」という名称に込められた精神です。

最初は地元の人間ではない私たちにとって、「米百俵」という言葉の意味が分かりませんでした。

黒沢さんから話を聞いて納得。
実はこれがこの施設の重要な軸であり、地域に根付いている精神だったのです。

戊辰戦争に敗れ焼け野原となった長岡藩では、多くの命が失われ、まちも焼き払われ、壊滅的な打撃を受けたそうです。
その窮状に対して三根山藩から米百俵が見舞いとして贈られますが、藩の大参事であった小林虎三郎という人物が米百俵を売却し、その代金を国漢学校の設立資金にあて、多くの人材を育て上げる基盤を築いたのだといいます。

公益財団法人 長岡市米百俵財団のホームページには次のようにありました。

この国漢学校創立時の故事をもとに、文豪・故山本有三氏が戯曲として書き下ろしたのが<米百俵>である。この戯曲は、虎三郎に関する詳細な研究と合わせて一冊の本にまとめられ、昭和18年(1943)に新潮社から出版された。
 山本有三の戯曲<米百俵>の中で、虎三郎は「早く、米を分けろ」といきり立つ藩士たちに向かってこう語りかける。
 「この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのだ。国がおこるのも、ほろびるのも、まちが栄えるのも、衰えるのも、ことごとく人にある。……この百俵の米をもとにして、学校をたてたいのだ。この百俵は、今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや、米だわらなどでは、見つもれない尊いものになるのだ。その日ぐらしでは、長岡は立ちあがれないぞ。あたらしい日本はうまれないぞ。……」

この「米百俵の精神」が今も息づいていると聞いて、鳥肌が立つほど感動しました。

そういう地域で育った人たちは、きっと地域を誇りに思うでしょうし、大人になったらおそらく地域のために何か恩返しをしたいと自然に考えるようになるのではないか。

改めて教育の大切さに気付かされた夜でした。

たこ壺(長岡市)

夜は地元で評判のお店で舌鼓。

(実はこの日、比企起業大学2024秋の入学式があったため、途中からの参戦でした)

せっかくなので珍しく日本酒。

頼んだのはなんだか忘れてしまいましたが、めちゃくちゃ飲みやすくて危なかったです笑

海鮮がうまい!
もちろん海鮮以外もうまい。

短い時間でしたが新潟の食を堪能しました。

2日目は以前からずっと行きたかった燕三条地域の「工場の祭典」を巡ります。

楽しみです!

(2日目に続く)

新潟県まちづくり視察ツアー 2日目(燕市・三条市周辺)(2024年10月5日) – まなびしごとLAB (manabi-shigotolab.com)

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