まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!
2024年10月4日(金)~10月5日(土)にかけて、新潟県まちづくり視察ツアーにいってきました。
備忘録として視察ツアーで見聞きしたり、考えたりしたことをまとメモしておきます。
(ご参考)1日目の様子
・新潟県まちづくり視察ツアー 1日目(湯沢町、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市)(2024年10月4日) – まなびしごとLAB (manabi-shigotolab.com)
2日目(燕市、三条市周辺)
1日目は湯沢町、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市を巡りました。
2日目は燕市・三条市周辺地域で開催されている「工場の祭典」を回ることにしました。
公務員時代からずっと来たかった場所で、まさか起業してから訪れることになるとは思いませんでした。
地域全体で工場の見学や体験に取り組んでおり、一般社団法人ときがわ社中の「比企のジンジ」で実施しているオープンファクトリーなどの参考にもなりそうです。
2日目はレンタカーを借りて、矢ヶ部さんとの2人旅になりました。
矢ヶ部さん、お付き合いいただきありがとうございました!
この日、訪れたのは以下の場所です。
- 三条ものづくり学校
- 図書館等複合施設まちやま
- 株式会社タダフサ
- ON THE UMAMI
- JRE LOCAL HUB 燕三条
- 藤次郎オープンファクトリー
- FACTORY FRONT
三条ものづくり学校
三条ものづくり学校は、2014年に閉校となった南小学校の建物をリノベーションされた施設で、シェア工房やファブラボ、コワーキングスペースやイベント会場などとして活用されています。
公共施設やグラウンドなども併設されていて、利用者が多様なのがいいですね。
ミニ四駆大学や地域のセレクトショップ、クリエイターさんの紹介ブースなど、ものづくりのまちならではの魅力がありました。
また、ものづくりの中でもカトラリーや調理器具などの製造が盛んなまちということで、地域の企業がつくった調理器具などを実際に使うことができる調理室というのもおもしろいですね!
図書館等複合施設まちやま
地図でルートを調べているとき、「図書館等複合施設まちやま」というのを発見しました。
今回の新潟県視察ツアーのテーマの一つに「複合的な公共施設」があったので、急遽、立ち寄ってみることにしました。
ちょうど三条鍛冶道場も隣接しているようです。
後で調べて知ったのですが、実はこの「まちやま」は隈研吾さんの設計による施設なんだそうです。(びっくり)
敷地内には「まちやま」のほか、三条鍛冶道場や三条スパイス研究所、芝生広場などがあり、施設の利用者はいろんな使い方ができそうです。
軽く敷地内を歩いた後、「まちやま」の中へ。
中に入って目に付いたのは、「鍛冶ミュージアム」でした。
1階スペースを使って、鍛冶にまつわる道具類が広々とレイアウトされていました。
興味深かったのが、三条地域でものづくりが発達した理由に関する解説。
この地域は川に囲まれた地形で洪水がたびたびあり、「三年一作」という言葉があるように3年に1回くらいしか米が穫れない地域だったそうです。
そのため地域を成り立たせるためには農業以外の産業を育てるしか道がなかったのだといいます。
そこで目を付けたのが金属加工の技術。
素材、燃料、技術、機械、流通といったものづくりの要素を少しずつ整えていったということが書かれていました。
ものづくりは地域で生きていくための努力の結晶なのですね。
やはりこうした地域の歴史を抑えておくことはとても重要なことだと再認識しました。
ちなみに「まちやま」では「まちやま道具箱」なる取り組みもされているようです。
地元企業の協力を得て、工具などの貸し出しも行っているとのことです。
これはおもしろい取り組みですねー。
包丁工房タダフサ(株式会社タダフサ)
今度は本格的なオープンファクトリーの現場へ。
まず訪れたのは包丁工房タダフサさん。
パンくずの出にくいパン切り包丁で有名な企業さんで、ずっと行ってみたいと思っていました。
到着するとちょうど工場案内がスタートするところで、運よくその列に参加することができました。
比企地域ではオープンファクトリーイベントを主催する側ですが、こうして体験者側になってみるとやっぱり楽しいですね!
気付いたのは工場見学の参加者は若い方が多いということ。
それに遠方からというよりも、周辺の近い地域からの参加者の方が多いということでした。
これは意外でした。
包丁の型を抜いてつくるやり方は初めて見ます。
こうやってつくるんですね。
包丁を叩くのも機械でした。
なんとなく鍛冶屋さんのように手で持ったハンマーで打つイメージをしていたので目にしてびっくり。
それはそうか。
1本1本手で打っていたら大変ですもんね。
もともとは建築などで使う曲尺をつくることからスタートし、漁業などで使う刃物、家庭用・業務用包丁と時代の変化とともに業態を変えてきたんだそうです。
工程で使う道具類や機械も自作していたと聞き、またまた驚きでした。
案内してくれた方は地元出身で、いったんは地元から離れたものの、最近、戻ってきたといいます。
地元に戻るきっかけとなったのが、タダフサさんで大事にしている「工房の心得」。
それがなければ戻ることはなかったということをおっしゃっていました。
「工房の心得」がすばらしい内容だったので、以下に引用しておきます。
三条の鍛冶の技を後世に伝承し、存続させ続ける事
三条が包丁の産地として存続し、規模を維持し続けることにより地元地域の雇用を生み出す事
温故知新の心。変化を恐れずに変えていくべき所は変え、残すべき所は残す事
誇りを持って物づくりに取り組む事
三条の子供たちの憧れとなるべき仕事にする事
地域は違いますが、地域でしごとをつくる上ですごく共感する内容で、大いに学ばせていただきました。
ON THE UMAMI
昼食はON THE UMAMIさんで。
「ダシ」をコンセプトにカフェや農場、料理体験教室、ショップなどが一体になっていて、席が空くのを待っている間も楽しめました。
12時少し前に行きましたが、既に満席でショップや体験教室も大賑わいでした。
食べ物屋さんにも地域のものづくりの精神が感じられました。
出汁をきかせた角煮定食を注文。
併設する農場で育てられたオーガニック野菜のサラダバーもついています。
残念ながら私はダシの味を見分けられるような繊細な舌は持ち合わせていませんが、角煮はめちゃくちゃおいしかったです!(平凡な感想が悲しい・・・)
本当になんとなくで、それがダシによるものかどうかまったく定かではありませんが、肉や煮汁の味がただ濃いというよりも、くっきりとよく感じられるような気がしました。
そしてダシといえばやっぱり味噌汁。
こちらはダシの味や香りが分かりやすく、ホッとした気分になれました。
食後はなんと「だしソフト」。
昆布だしを使っているソフトクリームだそうです。
どんな味がするのかとおそるおそる食べてみましたが、意外なほど?ダシの味は感じません。
ただ、いつも以上にミルクの味が際立って感じられるような気がしました。
濃厚なだけでなく、味や香りがなんというか立体的という感じ。(ダシが入っているということで錯覚しているのかもしれませんが)
これがダシの効果なんでしょうか。
JRE LOCAL HUB 燕三条
JR燕三条駅にあるJRE LOCAL HUB 燕三条。
こちらは地域のものづくり企業同士のマッチングや地域内外の企業とのマッチングのハブとなる機能を担っている施設だそうです。
企業同士のマッチングをするのに駅の中にあるというのは不思議な感じがしました。
おそらく事業主体がJRさんだからかもしれません。
入ってすぐ右手に会員企業のカードが配架されており、それをネジとナットでとめると図鑑のようにして持ち帰ることができます。
これは楽しいですね!
全部コレクションしたくなりました。
奥はコワーキングスペースとしても使えるようです。
普段は各企業さんはそれぞれの工場で仕事をしているので、なかなか外に情報が出てきません。
こうした施設のように地域にどんな企業があるかを知ることができる場所やメディアがあるのはありがたいですね。
藤次郎オープンファクトリー(藤次郎株式会社)
タダフサさんと同様に包丁を製造している藤次郎株式会社さんの藤次郎オープンファクトリーへ。
タダフサさんを見学したときに、藤次郎さんとは規模が違うというお話を聞いたので、比較してみたいと思い訪問しました。
こちらではなんと工場の祭典の期間中だけでなく、常にオープンファクトリーをしているんだそうです。
というよりも、工場が開かれた形になっていて、お客さんがいつでも工場内に入って見学できるようになっていました。
ここまでやられているのはすごいことです!
ただ工程を見て回るだけでなく、解説用の模型やディスプレイで動画を流したりしており、初めて見る人でも工程がよく分かるようになっていました。
また、社員の方も気さくに話しかけてきてくれて、時間があれば解説もしてくれます。
ずっと見られているのは落ち着かないのではと逆に気になりましたが、もしろ見られていることを意識することで、仕事に対して真剣に取り組まなければいけないという気持ちや、お客さんが喜んでくれることで仕事に対する誇りも感じられるのかもしれません。
いきなりここまでやるのは大変かもしれませんが、このやり方は非常に勉強になりました。
また、なんと包丁を抜いた後の端材を使って、刻印されたキーホルダーのサービスも。
これは嬉しいです!
かっこいい!
FACTORY FRONT
最後はFACTORY FRONTさんへ。
燕三条地域はカトラリーの分野で国内生産の9割のシェアを占めているとのことで、いろんな企業さんのカトラリーが展示販売されていました。
これが別の地域で販売されていると産地に対する関心は薄れてしまい、商品に意識がいってしまいますが、地元で売られていると地場産業であることを強く意識させられます。
こうしていろんな企業さんのカトラリーが並べてあると比較できておもしろいですね!
お気に入りのカトラリーが見つかりそうです。
家にバターナイフがなかったので、気に入ったバターナイフを購入しました。
これでパンにバターを塗るときには燕三条のことを思い出すんでしょうね。
こうしてつくられた地域のことを知っていると使うのがますます楽しみになります。
つくった人の顔だけでなく、つくられた地域の顔が見えることも重要ではないかという気づきがありました。
これもストーリーといっていいのかもしれません。
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久しぶりの泊りがけでの視察ツアーでしたが、非常に充実した2日間になりました。
ただ単に「楽しかった」で終わらせず、地元に持ち帰って一つでも実になるように自分の事業に活かしていきたいですね!
アテンドいただいた黒沢さんをはじめ、矢ヶ部さん、安川さん、ありがとうございました!
※1日目の様子は以下
・新潟県まちづくり視察ツアー 1日目(湯沢町、南魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市)(2024年10月4日) – まなびしごとLAB (manabi-shigotolab.com)
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