『地域と大学 地方創生・地域再生の時代を迎えて』

こんにちは。
まなびしごとLABの風間です。

今回取り上げるの本は、『地域と大学 地方創生・地域再生の時代を迎えて』(萩原誠 著)です。

最近、高校や大学と地域との連携に関わることが増えたため、地域をフィールド、題材としたプロジェクト型の学び、いわばLPBL(Local Project Based Learning)を個人的な探究テーマとしています。

「地域と大学」というそのままズバリのタイトルをAmazonで見つけたため、即購入してみました。

本書の5エッセンス

まずは本書から印象に残った5つのエッセンスを抽出します。

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地域貢献で一番大事なことは、地域との信頼関係

⇒ 信頼関係の構築が最重要

もっとも重要な役割は、地域の持続的発展を担う人材育成のプロセスに大学が関与すること

地域に貢献できない地方大学は生き残れない

⇒ 地域における大学の最も重要な役割は、地域の人材育成

地域と大学の連携を成功させるために不可欠な3つの条件
 ①それぞれの組織が、連携しないと生き残れないという「危機感」を持つこと
 ②地域と大学のコミュニケーションの密度を高めていくこと
 ③地域と大学の連携を実効性のあるものにするための両者を取り持つ「橋渡し人材」の発掘育成

地域と大学を結びつけるには、地域のことも分かり、大学のことも分かって、その間を取り持つ人が絶対に必要です。それは、教員、職員と並ぶ、第3の職種とも呼べる人材で、地域と大学の関係を成立させる人材とも言えます

⇒ 地域と大学の連携におけるコーディネーター機能、人材の必要性

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なるほど、従来の教員、職員に加えて、第3の職種とも呼べる地域と大学の関係を成立させる人材の必要性が高まっているということですね。

ここが私に期待されているポジションということになるのだと思います。

少し前の本ですが、これまでご相談をいただいた内容からすると、現在も状況は大きくは変わっていないようです。
もちろん各大学では地域連携の取り組みを進めていますが、地域にとっても大学にとっても、より具体的な成果となる活動への発展が求められるようになってきたのではないかと思われます。

その他、本書で気になった個所をまとメモとして書き留めます。

まとメモ

はしがき

・文部科学省が求めているのは「地域の知の拠点としての大学(Center of Community=COC)」である。そのためには、「大学の全構成員が、地域を志向し、地域の課題を直視して、(全力で)解決に当たる」ことが条件となる

・大学と地域の連携の前に、お互いのコミュニケーションがいかに大切か、地域にも大学にもその認識が必要だ。そのうえで、地域は地域のビジョンに基づいて、大学に何をサポートして欲しいのかを明確にしなければならない。大学は地域の要望を積極的に把握して、できることとできないことを明確にすべきだ。それが地域と大学の連携の前提である

序論 なぜいま、地域と大学なのか

・大学と地域を繋ぐコーディネーター人材は教員でもなく、職員でもなく、「第三の職種」とでもいうべき新たな職種だという

第1章 地域との連携について学長に聴く

・地域貢献で一番大事なことは、地域との信頼関係です。地域を「俯瞰」する立場としての大学も大事ですが、それ以上に重要なことは県民、住民と同じ目線で物事を考えること

・もっとも重要な役割は、地域の持続的発展を担う人材育成のプロセスに大学が関与すること

・(フィールドワークは)学生が大学という空間から出て、地域社会と交流しながら、自らの関心や問題意識に基づいて探求し、自らの言葉でまとめ上げていく教育手法です

・地域にとっては、いくら過疎化が進んでも変わらない絶対価値があります。ロケーションであり、歴史や文化であり、そこで生活する人です。それをさらに高めていかねばいけません。大学は地域のポテンシャルを活性化するストックを持っています。地域に資する研究の「知」を蓄積し地域に還元することと、地域を担う若者を育成することです

第3章 地域イノベーションのかたち

・地域のニーズと大学の研究シーズとマッティングすることが地域連携の要・・・「地方創生」の掛け声の下、全国の大学、特に地方大学の地域連携の取り組みが活発化している。・・・しかし両者をつなぐコーディネーターが十分に機能しなければ連携は空周りする

・地域を活性化させていくには次の担い手である若者を地域全体で育てることが重要です。・・・大学で学ぶ18歳から22歳は、「知」と「活力」が、最も輝く時期です。その彼らを社会で役立つ人材に育成できるかどうかで大学の真価が問われます

・「地域の在り方」を「大学の在り方」にどう取り込めるか、すべての地方大学が問われています。地域に貢献できない地方大学は生き残れない時代が来た、と強く感じています

第6章 コーディネート機能の重要性

・(成功している事例の条件として)2つの共通点があります。一つは、地域側が課題の克服意識を明確に持ち、積極的に大学に連携を求めていること、もう一つは大学が地域を単にフィールドとして利用するにとどまることなく地域への成果還元を意識していること

あとがき

・地域と大学の連携を成功させるために不可欠な3つの条件
 ①それぞれの組織が、連携しないと生き残れないという「危機感」を持つこと
 ②地域と大学のコミュニケーションの密度を高めていくこと
 ③地域と大学の連携を実効性のあるものにするための両者を取り持つ「橋渡し人材」の発掘育成

地域と大学を結びつけるには、地域のことも分かり、大学のことも分かって、その間を取り持つ人が絶対に必要です。それは、教員、職員と並ぶ、第3の職種とも呼べる人材で、地域と大学の関係を成立させる人材とも言えます

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