地域のミニ起業家のバイブルを読みなおす
本書『小さな会社の稼ぐ技術』は2017年から始まった比企起業塾、そして2021年から始まった比企起業大学でも初回の課題本として使用されており、私も2018年の比企起業塾でこちらの本で学んできました。
本書で解説されているランチェスター戦略は、私が地域でしごとをつくる上で一つの軸となっています。
いわば地域におけるミニ起業家にとって、そしてもちろん私にとっても原点であり、バイブル的な本なのです。
10月半ばから音声配信アプリstand.fmで「地域でしごと」をつくることをテーマとして、地域でしごとをつくるのに役立つ書籍をご紹介する「地域でしごとをつくるラボ」というチャンネルを運営していますが、やはりせっかくなら本書は是が非でもご紹介したいと考えておりました。
私自身が音声よりもテキストの方が頭に入りやすいせいか、せっかく紹介するのなら音声だけでなくテキスト版もあった方がいいのではないかと思い、ブログではテキスト版も公開していこうと思います。
ちなみに『小さな会社の稼ぐ技術』は、「地域でしごとをつくるラボ」の第6回目の配信でご紹介していますので、よろしければそちらも聴いてみてください。
stand.fmチャンネル「地域でしごとをつくるラボ」第6回の配信はこちらから。
stand.fmチャンネル「地域でしごとをつくるラボ」での音声配信(テキストバージョン)
(以下、テキスト版)
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なぜこの『小さな会社の稼ぐ技術』という本をご紹介しようと思ったかといいますと、まさに私がやっている地域で小さくしごとをつくるのにぴったりの本だからなんです。
もしかすると聞いたことがある方もいるかもしれませんが、この本はランチェスター戦略について書かれた本になります。
ランチェスター戦略は別名、弱者必勝の戦略ともいわれています。
比企起業大学の課題本になっているというお話をしましたけれども、比企起業大学の関係者の中ではバイブルのようになっている本なんです。
ランチェスター戦略の特徴の一つは、圧倒的1位の大企業のような強者がとる戦略、強者の戦略と、2位以下の弱者がとる戦略、弱者の戦略を区別したことだといわれます。
つまりここでは2位以下はすべて弱者ということになります。
ましてや日本の企業の99%以上は中小企業や個人事業主ですので、強者のマネをしても絶対に勝てません。
だからこそ、自分が弱者であることを前提として、どうやったら勝てるか、そしてどうやったら強者と戦わなくてすむかを考えていくのがランチェスター戦略です。
弱者の戦略には多くの項目があるんですが、簡単にまとめると次の4つのポイントに絞られます。
一つが差別化、
二つ目が小さな1位、
三つめは一転集中、
4つ目は接近戦です。
差別化は弱者は強者とは違うことをするということ、小さな1位は全体ではなく小さな特定の分野で1位をとること、一転集中は1つに絞ること、接近戦はエンドユーザーに直接営業するということであると本では述べられています。
この中でも私は、特に小さな1位と接近戦をいつも考えるようにしています。
小さな1位をとるためには、「商品」「地域」「お客さん」という視点から分野を特定する、絞っていくということを意識しています。
特に面倒くさくて手間がかかることほど参入障壁が高くなりますので、そういうところから大手が目を付けないような小さなしごとをつくるということをやっています。
接近戦ということでいうと、こういったしごと自体がお客さんと接近しているからできることですし、それをきっかけにまた次のしごとにつなげられるのもお客さんと近い距離にいることのメリットだと思っています。
先輩起業家の方々も迷ったときにはこの本に立ち返るといっていますが、私も今回読み返してみて改めて弱者の戦い方というものをこれからも意識していこうと思いました。
きっとお役に立つ本だと思いますので、よろしければ読んでみていただければと思います。
ということで今回ご紹介した本は『小さな会社の稼ぐ技術』という本でした。
今後もこのようにビジネスとまちづくりという両方の視点から、地域を考えていきたいと思います。