コンテンツとは何か
今回ご紹介する本は『人がうごくコンテンツのつくり方』です。
地域でしごとをする上で、私が意識しているのが地域に日常的にあるものを「コンテンツ化」するということです。
そのことを意識し始めるきっかけとなったのがこちらの本でした。
地域に日常的にあるものを「資源」に変え、それをさらに「商品」に変えていくためには「コンテンツ化」という切り口が欠かせません。
「コンテンツ化」を一言で言えば、「お客さまに価値を感じてもらえるようにすること」と解釈しています。
そのとき大切なのが「お客さま」という概念だと思っています。
価値を感じてくれる・受け取ってくれるお客さまがいなければ、「コンテンツ」は成り立ちません。
そう考えると「コンテンツ=商品」と言い換えることもできるかもしれません。
ビジネスにおいては商品とお客さまは決して切り離せない大切な要素です。
そこで今回は、本書からコンテンツ化のために必要な視点について詳しく見ていくことにします。
(「⇒」は個人の考え、感想)
序章 コンテンツとは何か
・人からコンテンツだと認識されるかどうかが、コンテンツであるかそうでないかの境界線
⇒ コンテンツだと認識した人が「お客さま」
・コンテンツ化をするときのポイントは「どこから見るか、誰から見るか」
・自分たちの住んでいる地域や属性が、外から見たときにどう見えるのか理解できれば、身の回りの物をコンテンツ化することができる。商品になるポイントが分かれば、それを発信するだけでマネタイズにもつながる
⇒ 身の回りに当たり前にあるものでも、価値を感じてくれるお客さまに届ければビジネスになる
・コンテンツ化するということは、受け手に対して「狭めて」あげることで、「分かりやすく」それが「あなたのためにあるのだ」と気づきやすくしてあげるということ
⇒ 総花的に「いいもの」をつくっても誰にも届かない
・コンテンツ化とは、「価値を感じたい」と思っている人たちに、「価値を感じてもらえるよう仕立てる」こと
・企画の発端は誰か一人の「ビジョン」、妄想のようなモノ。それを可視化・具現化する作業がコンテンツづくり
→ 誰の想いでやっているのかわからないと失敗する
第1章 コンテンツをつくる
・コンテンツづくりに「想い」は大切。しかし生活者にとってそんなことは知ったこっちゃない
→ 「消費者」や「ユーザー」になってもらうまでは、それを理解した上で知恵も絞るし汗もかく必要がある
・ターゲットを意識しすぎて「対象者に迎合し、媚びると失敗する」
→ 敢えて分かりにくく不親切にすることも必要(過剰に分かりやすくしない)
→ 「分かりにくい」「不親切」→「かっこいい」「クール」
→ 「分からない」→「悔しい」→「知りたい」
第2章 コンテンツを広げる
・高い満足度は「好きな要素を突出させること」なので、興味のない人にとっては邪魔
→ たくさんの人に受け入れてもらうためには、突出する要素を無くして丸める
⇒ どの客層を狙うか、どれだけの人をお客さんにするか
・ニッチコンテンツに紐づく人の気持ちは「観たい」「食べたい」「買いたい」という能動的なもの
→ マスコンテンツでは「観てもいい」「食べてもいい」「買ってもいい」など受動的
⇒ 地域での商品づくりにおいては欲求を呼び起こすものである必要がある
・マス化は満足度を下げて「〇〇してもいい」と思ってもらえるようにする作業
→ 満足度を下げすぎてしまうと「どうでもいい」になる
・有料メディアのコンテンツは「ユーザー」に向けてつくる
→ 無料メディアのコンテンツは広告主が欲しがる「消費者やマーケット」に向けてつくる
・コンテンツに触れるお客さんの姿を想像するとき、ニッチコンテンツは「非日常」を、マスコンテンツは「日常」をそれぞれイメージする
→ 人は非日常への集中度は高くなり、日常にあるものへの集中度は低くなる
・ネーミングやキャッチコピーは、コンテンツ自体が何なのかを伝えることも大切だが、消費者やユーザーに対して「そのコンテンツに触れたときに、どういう気持ちになるか」をイメージさせることも重要
・「マネしやすい」は優れたコンテンツとしての要件。マネされると広がる
・変わったことを拒否されないよう、変わったことに気づかないレベルで進化を続けて、飽きさせないような繊細な変化がコンテンツには大切
まとめ
ビジネスを考える上で、当たり前かもしれませんが一番大切なことは、お客さまに価値を提供することです。
そのためには「どんなお客さまに」「何を」届けるのかという最も基本的で最も大切な問いを常に念頭に置く必要があります。
今回のテーマであるコンテンツについて言えば、
コンテンツ化とは、「価値を感じたい」と思っている人たちに、「価値を感じてもらえるよう仕立てる」こと
これが肝となります。
このコンテンツ化の考え方を今後ともビジネスに活かしていきたいと思います。