バブソン大学の山川恭弘准教授の特別講演を受講
2024年1月13日(土)、文部科学省主催「全国アントレプレナーシップ人材育成プログラム」で、バブソン大学の山川恭弘准教授の特別講演「未来を創るための起業家的思考と行動法則」を受講しました。
私は比企起業大学の講師としてミニ起業家の成長支援に携わっていますので、アントレプレナーシップ教育で名高いバブソン大学でどのような教育が行われているのかに非常に関心がありました。
バブソン大学で教鞭をとっている山川准教授による特別講演ということで、貴重な機会をいただくことができました。
私の内だけにしまっておいたのではもったいないと思いましたので、山川准教授の講演メモを私の感想とともに書き留めておきます。
起業に関心のある皆さまに少しでもお役立ていただけますと幸いです。
※ちなみに、プログラムの冒頭で、文部科学省によるアントレプレナーシップの定義についてのお話がありました。
それによると、アントレプレナーシップとは「様々な困難や変化に対し、自ら枠を超えて行動を起こし、新たな価値を生み出していく精神」ということだそうです。
私はもう少しゆるく、アントレプレナーシップとは「自分で考え、決める、行動することができる」ということだと考えています。
起業する・しないに関わらず、「自分で考え、決める、行動することのできる力」は誰にでも必要です。
注釈として、「人から言われたことしかやらないというのではない」ということと、「自分で考え、決める、行動すること」を認める環境も必要ということも必要だということもあるかと思います。
それも踏まえつつ、読み進めていただけますと幸いです。
特別講演「未来を創るための起業家的思考と行動法則」メモ
●イントロダクション
・起業家は世界を変える!
・誰かを救っているからこそ、そこに経済的価値も生まれる
・Fun theory 楽しさは行動を変える
・楽しさを忘れてはいけない
・自分が楽しむことで、周りを楽しくできる
・職場に行くのに、ワクワクしないとしたら、働き方としては問題があるのでは・・・
・Work Hard, Light Up, Have Fun! 一生懸命やって、明るく、楽しくやろう!
・失敗が次の成功につながるとはいえない。だが、一生懸命やるからこそ、失敗がすばらしい質の学びになる
●バブソン大学について
・1919年創立
・アントレプレナーシップとつくものはほぼバブソン大学発
・起業家教育発祥の地
・何かをやりたいと思ったら、そのプロの方に教えてもらうのが一番。野球、音楽、勉強・・・では起業は?
・一般学校では起業したことがある人が周りにいない
・起業したいなら、起業家の先生がいる、起業について学べる場所に行くのは自然なこと
⇒ 比企起業大学も、比企周辺で起業したい方、ミニ起業を目指す方が学ぶ場になっている
●どうやってアントレプレナーシップを学ぶか
・入口となる問い「世界中に問題が溢れている中で、一つ解決できるとしたらどんな問題か?」
・利益を得ることが目的ではないが、利益がないと続けることができない
・身の回りの問題に不平不満を言っているだけじゃなく、解決する側になろう
・日本は不平不満を言う国ナンバーワン
・それで何か行動を起こしたかを聞くと、ランキングがすごく下がる(文句は言うが、解決する側になる人がすごく少ない)
・辛抱強く待っていれば、いつか誰かが何とかしてくれるという空気感のある国が日本
・バブソン大学は、何かしら解決側になろうというスタンス
・起業家精神、世界を変えようとする精神は誰にでも宿っている。それを解放しよう
●アントレプレナーシップとは
・ET&A Entrepreneurial Thought & Action 起業家的思考✕行動法則=起業道=世界を変える力
・起業家になれ、起業しろとはいわない。起業家のように考え、行動することが世界を変える力になる
・まずはDesire(欲望、私は何がしたいか)
・どんなWillがあって、どんなインパクトやレガシーを残したいのか、絶対にやりたいことは何かという自己理解から始まる
・ローンチプラン 課題は何か、今ある解決方法と何が違うのか
・聞きにくいことを聞いてくれる人、正直に「ダメだ」と言ってくれる人は宝物
●三原則
①Act quickly with means at hand 今あるもので迅速に動け。今あるもので何ができるか。やってみないとわからない
②Pay only what you can accept/afford to lose 受け入れられる/失っても差し支えない範囲で支払ってください。失敗はするもの。許容できるロスは人によって異なる。何を持って失敗とするか。
③Bring others along to your journey 他の人たちもあなたの旅に連れていけ。一人ではできない。応援してくれる人。ギブし続けている人には、この人のためなら何かしてあげたいと思う人がいる
●Action Trumps Everything 行動は全てに勝る
・やってみて、学んで、積み上げて、それを繰り返す
・Desire、やってみる、失敗はここまでやっていい、最後はいろんな人を巻き込む。それを回す
・アクションごとにラーニングがある
・1アクションで失敗・成功ではなく、そこから何が学べるか
・学びの質と頻度を高めるサイクル
・始めるのに、偉大である必要はない。でも偉大なことを成し遂げるには、何かしら始めないといけない
●Reflection Trumps Everything 振り返り(内省、内観)こそ全てに勝る
・振り返らないと行動が無意味なものになってしまう
・振り返りの方法は2とおり。内省とフィドバック
・自己理解 自分にしかわからないことがある
・アクションだけだとアクションの無駄になる。リフレクションで止まってしまうと次に活かしていないから無駄になる
・自分だけで振り返ると主観的すぎる。過小・過大評価のおそれ
・客観的に自分を見つめるフィードバック
・いろんな人からフィードバックをもらうのは自分を客観的に知るチャンス
・「ジョハリの窓」
●ET&A Reflection for you
・欲望 何がしたいか?どんな挑戦?何にワクワクする?
・行動 そのために今何をやる?
・失敗 何を持って失敗とする?どこまで許容できる?
・利害関係者 誰を巻き込む?
・ET&A宣言
私は〇〇がしたい
そのために今日から〇〇をします
たとえ〇〇を失ったとしてもかまいません
○○を巻き込みます
感想
今回の特別講義は私はオンライン参加でしたが、控えめに言っても非常に興奮しました。
最後のET&A宣言では、リアル会場で何人かの参加者の方が宣言をされていましたが、私もそれを聞いてオンラインでは真っ先に宣言していました。
私はこの地域に、自ら学び、自分たちにとってすばらしいまちを自らつくっていけるラーニングコミュニティをつくりたいです。
そのために今日から(も)、地域を自ら学び、地域のおもしろい人とつながって、一緒におもしろいアクションを起こしていきます。
たとえ自分のプライドや今までのイメージが崩れたとしてもかまいません。
このまちを愛してやまない人、何かやりたいと考えている人たちを巻き込みます。
ちなみにこれを皮切りにオンラインでもET&A宣言が続きました。
ファーストペンギンというわけではないですが、先陣を切れたのはちょっと嬉しかったです笑
さらに比企起業大学講師としてのET&A宣言もしてみました。
私は自らの思いを形にするミニ起業家をこの地域にたくさん育てたいです。
そのために今日から(も)、比企起業大学で学ぶみんなのアクションを応援し、悩みに寄り添っていきます。また、自らも学び続け、実践し続けます。
たとえそのために時間がかかってもかまいません。
ミニ起業家の仲間、応援者になっていただける周囲の方を巻き込みます。
口に出して(チャットに書いて)みると、それが自分や周りの人に対しての約束になるので、非常に気が引き締まる思いがしました。
まずは自分のDesireをしっかりと掘り起こし、見つめ直すことを改めてやりたいと思います。
実は2月に比企起業大学の関根総長に、事業相談をさせていただく機会を頂戴しました。
そのための思考整理を始めたところでした。
今回の山川准教授のお話を聞いて感じたことも今後に活かしていきたいと思います。
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