ディープなニュータウン商店街がまちの個性をつくっている「霞ヶ関エリア」

まなびしごとLABの風間です。
こんにちはー!

2024年6月5日(水)、埼玉県のまち歩き&地域のキーマン巡りフィールドワーク in 川越市(霞ヶ関エリア)を開催しました。

埼玉県関連の仲間と始めたこの企画。

今回は、東武東上線の駅の中でもなかなか降りる機会のない霞ヶ関駅に降り立って、ニュータウンの商店街を巡ることになりました。

参加者は私含め7名。

アテンドいただいたのは合同会社オンド代表で、自らも角栄商店街で「mibunka(ぶんか)」という小さな複合施設を運営する吉田尚平さん。

また、吉田さんのご紹介で、5月に新たに角栄商店街内の空き店舗を購入し、これから事業を立ち上げる予定の地元生まれのKさんも案内人として参加してくれました!

吉田さん、Kさん、ありがとうございます!

この日に訪れた場所は以下のとおり。

  • 東武東上線 霞ヶ関駅
  • 日枝神社(新日吉山王宮)
  • かすみ商店街
  • 角栄商店街
  • 大橋自然食
  • amist(ランチ)
  • mibunka
  • みっちゃん(懇親会)

当日見聞きしたことを差しさわりない範囲で書き留めておきます。

「霞ヶ関」概要

まずは集合場所の霞ヶ関駅にて地域の概要を、地図を見ながらKさんに伺います。

初めて知る内容のことばかりで、早くも驚きの声が上がっていました。

・「霞ヶ関」がどこにあったかは諸説あり、埼玉(川越市)と東京でそれぞれ「霞ヶ関」を名乗る地域があった。(埼玉県と東京都の「霞ヶ関」は同じものを指している)
・河越館はもともとこのあたりにあり、「河越」といえば今の川越市の中心部ではなく、このあたりを指していた
・この後行く「新日吉山王宮」は河越氏の氏神。江戸氏は河越氏から分かれた一族で、江戸館に分霊社を祀ったのが赤坂の日枝神社
・霞ヶ関北エリアは3回にわたって開発、分譲された「ニュータウン」

ちなみにこのあたりの経緯は吉田さんがコロナ禍に発行していた「新しかった街」でも解説されているようです。
内容がすごくおもしろそうなので、後日ゆっくり読んでみたいと思います。

日枝神社(新日吉山王宮)

せっかくなので駅の北口を出て、日枝神社(新日吉山王宮)に向かってみることにしました。

当初こちら側はまったく考えていなかったので、いきなり予定外の動きとなりました笑

逆にその方がまったく知らない分、おもしろかったりします。

それにしても駅で解説を聞いていなければごく普通のロータリーなのに、こうして「参道を歩いています」と言われるとまちがまったく違って見えるのは不思議ですね。

メインのとおりを逸れて、日枝神社(新日吉山王宮)へと向かいます。

赤坂の日枝神社が分かれたこともちゃんと解説文が建てられていました。

話を聞いた後にこうした解説を読むと、「やっぱり本当だったんだ!」と理解が深まります。

かすみ商店街

狭い道路が曲がりくねる住宅街を抜け、踏切を渡ってかすみ商店街に入ります。
道路が複雑に入り組んでいるので、たぶん一人だったらたどり着けなかったと思います。

ちょっとした冒険気分で楽しいです。

かすみ商店街に着きました。

最近、東京国際大学の周辺に外国人の方、特にアジア圏の方が経営するお店が飲食店を中心に増えているようです。

確かに国際色豊かな看板が目につきます。

また、街頭のシェードが銅板になっていて、太陽光が反射して光っているように見えるのがおもしろいです。
昼間なのに灯が入っているように見えました(中には本当に点いているものもありましたが)

商店街のメイン通り沿いには、インド・ネパールときて、その隣になぜか「たこ焼き」と書いてある飲食店やキャンパスノートの卸売りで繁盛しているという文具店、世界のカブトムシなどを扱うことで関東圏からお客さんがやってくるお店など、個性的なお店が見られました。

元は診療所だったという建物も趣が感じられます。
こういう場所をうまく活用できたらおもしろそうです。

角栄商店街

埼玉りそな銀行を過ぎたあたりから角栄商店街に入ります。

同じ道路沿いでも途中から商店街が変わっているんですね。

街頭も異なっているので境目が分かりやすいです。

こちらは一見して個性的なお店は少ないように見えますが、昔ながらの和菓子屋さんやパン屋さん、豆腐屋さんなど、日常的に利用していたらすごく楽しいだろうなというお店がまだたくさん残っています。

角栄商店街の特徴はなんといってもアーケード。

すべての建物がつながっているわけではないようですが、アーケードが続いていて日差しの強い日や雨が降っている日には安心して歩けそうです。
(実際、前回来たときも雨が降っていましたが、アーケードがあったおかげで快適に歩くことができました)

逆にアーケードがあることで少し暗さも感じますが、お店のレトロな感じの雰囲気に合っていて趣深いです。

確かにシャッターが閉まっているお店もそこそこありましたが、やっているお店も多く、新しく始めたお店もあるようです。

小さくても多様なお店が連なっていることが商店街の魅力なので、まさにそうした魅力が残っているのが角栄商店街なのではないかと感じました。

大橋自然食

ランチ予定のお店の少し手前に大橋自然食さんがあり、なんと比企起業大学2024春生の内田さんと吉峰さんが待ってくれていました。
びっくり!

お二人ともこの日はシフトに入っていなかったそうですが、わざわざ来ていただいてありがとうございます!

あまり時間がなかったのですが、お店の中も少し見せていただきました。

すごくおもしろそうな食品がたくさんありました。

特に私は調味料が好きなので、みりんあたりに興味を惹かれて見入ってしまいました笑

今度またゆっくり伺いたいと思います!

amist

ランチはamistさん。

1階は食器・雑貨と音楽、2階はカフェスペースになっています。

この日は定休日でしたが、わざわざ調整してくださったそうです(ありがとうございました!)

私はBLTサンドイッチと人気のレモンスカッシュをいただきました。
めちゃくちゃうまい!

夢中で食べてあっという間になくなってしまいました笑

レモンスカッシュもさっぱりして蒸し暑さも吹き飛びました。

食事の前後では参加者同士の交流もでき、お互いのことをじっくり聞き合うこともできました。

amistさん、ありがとうございました!
ごちそうさまでした!

mibunka

ランチ後はまず小さな複合施設であるmibunkaさんの見学

つまずく本屋ホォル店長の深澤さんセレクトの本が興味深いです。

また、地域に元々あったお手伝いサービスを引き継いだ地域生活応援団の仕組みもおもしろいです。

2階はコワーキングスペースのようになっていて、ドロップインでも利用できるようです。
角栄商店街内の建物の2階は同じようなつくりになっているので、中を見てもらうことで物件の内覧のようなこともできるという意図もあるそうです。

2階のスペースで引き続き吉田さんとの意見交換を行うことになりました。

吉田さんのお話

・通える距離の大学の中でおもしろそうな学部を選んだ
・大学ではライフデザインを学んだ
・建てない建築家の先生との出会い
・一時期、海外(オーストリア)でも学んでいた
・スクラップアンドビルドのスピードが早まっており、イミテーションが増えていると感じていた
・アンチテーゼとしての霞ヶ関北らしさの追求をしてはどうか
・ハーバーマス『公共性の構造転換』に興味
・霞ヶ関北エリア 人口4500人弱、高齢化率44%
・生活世界・公的領域にある「公共圏」での仕事の仕方にはどんなことがあるか
・結果よりも方法に興味がある
・同じことはやりたくない
・当事者的な「活動」
・合同会社オンド 6人のメンバーがプロジェクトごとに活動
・商店街を場所として機能させることができないか
・新しくオープンしたお店もあるが、逆に閉まってしまったお店も同じくらいある
・ニュータウンには昔から伝えられてきた精神性や文化がない
・自分たちでなんとかしようとやってきた人たち。そういうフロンティアスピリットのようなものを持っていた
・自治会加入率が非常に高い(8割から9割)
・自治会活動がたくさんある
・自治会との関わり方から仕事が生まれてくることも
・開発された3つのエリアの中で、角栄商店街のあるエリアが最も古く開発された(1964年)

参加者同士の意見交換

●大学との関わり方
・関わりは特にない。ゼミは入れ替わりがあるので難しい
・商店街から何かを期待できるような状況ではない
・大学として何が地域にできるのかわからない
・お互い、一方的に相手に何かをやってもらうという関係ではないのかもしれない。一緒に何かをやる中で、お互いに学び合う関係がつくれるといい

●まちづくり
・まちづくりという仕事はない。結果的にまちづくりにはなっているが
・まちづくり=行政がやるものというイメージ
・自分たちがまちを変えられる、活躍できる場、役割が必要では
・まちづくりは地味。まちづくりのスター選手に光を当て、まちづくりはカッコいいというイメージをつくる必要がある
・まちづくりや地域に特化した部署をつくる企業が増えている。配属先としても人気。一方で配属されると何をやっていいかわからない

●公園
・規制の多い公園より、ストリートに可能性を感じている
・民設民営の公園をつくっている。木を植えずに置く(本庄市)
・リスクは残す、ハザードはとる(朝霞市)
・自分の力でできないことはやらせない(朝霞市)

吉田さん、ありがとうございました!

みっちゃん

終了後、有志でみっちゃんという地元のお店で懇親会。

参加できなかった吉田さんに報告したら、「なんとディープなお店で・・・」と笑われました笑

懇親会から参加した方や途中抜けしたKさんも合流し、ディープなお店でディープな交流の時間を過ごすことができました。

参加者の皆さま、ありがとうございました!

(ちなみに数人の方はそのまま二次会へと消えていきました笑)

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