2022年2月16日(水)9:30~11:30、埼玉県比企郡小川町の石蔵コワーキングスペースNESToにて、不動産利活用に関するコーディネートやコンサルティングをされている矢ヶ部さんとお会いしました。
矢ヶ部さんとはTwitterでつながり、メッセージをいただいたことがきっかけで貴重な意見交換の機会をつくることができました(矢ヶ部さん、ありがとうございます!)
情報発信は「存在証明」になることを身をもって体感しました。
ありがたいですね。
NESToはクラウドファンディングに参加したり、外から眺めたことはあるのですが、中に入るのは実は初めてで楽しみにしていました。
矢ヶ部さんとの意見交換した内容やNESToに行って感じたことなど、差しさわりのない範囲でまとメモしておきます。
矢ヶ部さんとの意見交換
矢ヶ部さんの関心
・もともと再開発のコンサルタント会社で働いていた
⇒ 現在はフリーランス的な働き方
・公共R不動産のメンバーで、公共不動産版の「スー○」みたいな情報プラットフォーム「公共不動産データベース」の自治体担当でもある
⇒ 公共不動産データベース
・社会人大学院やオガールプロジェクトにいったことがきっかけで、官民連携や不動産利活用のコーディネートやコンサルティングに関わるようになった
・小川町出身(現在は都内在住)
・県内のシェアオフィス、コワーキングスペースを巡ってつながりをつくっている
⇒ 利用者は常にそこだけ利用するわけではない
県内で移動するときにそういう場所を気軽に使えたら便利
埼玉県には700万人以上の人口がおり、県全体でのパイを増やせるのでは
・不動産利活用における役割は、事業スキームの構築のコーディネートが主
NESToについて
・小川町と民間事業者による官民連携プロジェクト
・もともとは織物屋さんの倉庫として使っていたが、話が出た当時はあまり使っていなかった
・カフェスペース、コワーキングスペース、貸会議室の3用途。貸会議室はサテライトオフィスとしての位置づけもある
・カフェだけの利用もある
・1DAY利用が多い
・耐震工事のための鉄骨の搬入が大変だったと聞いている
・スタッフ1名は常駐
・コワーキングスペースとして改修する前は、利用可能性を探るためにコンサートなどを開いていたこともある。評判が良く、所有者も意欲が出てきた。
⇒ 公共R不動産で矢ヶ部さんご自身が執筆された記事はこちら
行政・民間・地域の連携から生まれた 埼玉県小川町「コワーキングロビーNESTo」
不動産活用について
・遊休不動産は所有者が負担感やあきらめを抱いていることが多い。不動産の価値や利用可能性を見せ、小さな成功体験を得ることで前向きな姿勢になる。オーナーさんに理解してもらいながら一緒に取り組むことが大事
・つくり手側はどうしても「つくりたいもの」をつくってしまうことが多い。利用者がいなければ意味がない。利用者の「こう使いたい」、「こんな場所が欲しい」に応えていくことが大事
・地域のどの場所に変化を起こしていくかの見極めが重要
⇒ 清水義次さん「スモールエリア」
点在させてしまうのではなく、集中した地域に連続して仕掛けていく
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私自身も公務員時代から官民連携やとりわけオガールプロジェクトには強い関心がありましたので非常に親近感を抱きました。
少子高齢化が進んでいる地域では公共施設の維持が課題となってきているという現状を聞いていますので、その対策に関する意見交換もさせていただきました。
『公共R不動産のプロジェクトスタディ』という本に書かれていた内容をもとにしたアイデアも出ましたので、ぜひ今後も連携していきたいですね!
清水さんの「スモールエリア」の考え方も、星野さんが提唱した「マイクロツーリズム」と合わせると、目指している方向は間違っていないと自信が持てました。
埼玉県だと交通が便利なので県内・都内にもすぐアクセスできるので、エリアを小さくとらえたとして商圏は自然と広がります。
であればつくる側は外からお客さまが来ることを想定しつつ、地元のヘビーユーザーを確保することが大事ではないかという気がしました。
そうすれば属性の異なる複数のお客さまを得ることができます。
ターゲットの絞り方とエリア選定がすごく大事になりそうです。
「地域の中の視点」と「地域の外の視点」をどうバランスさせていくか。
一般社団法人ときがわ社中でも、今後「場所」は大きなテーマになると考えていますので、比企つづき「場」に注目していきたいと思います。
矢ヶ部さん、ありがとうございました!