まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!
今回、ご紹介する本は、Open A+公共R不動産 編の『PARKnize パークナイズ』です。
予約していた本が届いたのでさっそく読みました。
「都市は公園化したがっている」という帯の一文が印象的です。
北坂戸駅周辺のまちづくりで活かせそうな考え方が盛りだくさんでしたので、備忘録として本書を読んで気になった個所を以下、まとメモとして書き出していきます。
まとメモ
はじめに
・今、公園の枠組みは再び緩くなり、存続のためにあらゆる手を使って管理費用を自ら稼がなければならない時代に逆戻りし始めている。
⇒ 利用だけでなく、稼ぐという要素が想定されているのが印象的
・Park-PFIの最大のインパクトは、今まで公共整備に関わりのなかった、正確に言うと、関わりたくてもその関わり方がわからず、おそらくその権利(のようなもの)を有していなかった、地元の小さな企業や組織でも、公共に関われるきっかけをつくったことだ
・そのプレイヤーたちは、小さく、フットワークが軽く、数が多いため、公園の事業的民主化が加速するきっかけとなった
・Park-PFIは、公共整備にありがちなハード・オリエンテッドではなく、コンテンツ・オリエンテッドで話を始めることができる仕組みなのだ
・当然、カフェを設置してよければ、公園で他の商取引もできるわけで、人間は当たり前のように次のビジネスを考え始める。ただ不思議なもので、公園という空間があらかじめ持っているパブリックな空気が、ごく自然にコンテンツを選択するフィルターになっているようだ
・公園という、もともと寛容性を帯びた空間には、さまざまなコンテンツが掛け合わせ可能である
・おのずと公共性を持ち合わせたコンテンツが選ばれる
・既存の都市の中では小さすぎて成立しないような規模の商いが、収益圧力の低いパブリックスペースだからこそ可能になっているのかもしれない
・駐車場は目的地ではない。街から目的地が消えていけば当然、駐車場も必要なくなる
⇒ 駅前の空き地が駐車場に転換されるケースが多いが、将来的にこうした懸念がある
・小商いは楽しく暮らすための手段であり、街や近隣へのインターフェース
・「疎」になってゆく街の風景を、衰退の象徴として捉えずに、未来の可能性と捉えるのが、これからの街の美学になるのではないだろうか
⇒ この考え方は取り入れて行こう!
CHAPTER1 PARKand
Section1 つなげる
・公園は、つながることにより、隣に建つ建築の可能性を拡張する
⇒ 草加市の「つなぐば」さんが象徴的
・大きなマネジメント(管理)と小さなマネジメント(運営)がうまく役割分担して協働していることもポイントだ(高円寺アパートメントの事例)
・「街の人を応援する場所」であるちはや公園の運営について語る上で欠かせないのが、「公園長」の存在だ。公園に常駐し、地域住民とコミュニケーションをとりながら、ニーズを汲み上げる
⇒ 公園長。おもしろい!
・「パークコーディネーター」という地域や市民との連携で公園づくりを行う専門スタッフがおり、どんな活動をしたいか、どんな公園にしたいかを、市民と一緒に考え模索してくれる。時には公園から飛び出し、地域のキーマンと会い「公園でこんなことしませんか?」とプレゼンテーションする、営業マンのようでもある。市民と公園をつなぎ、新たな活動や事業を生み出している(NPO birth)
Section2 置く
・民間投資である以上、テナントによる収益も大切だ。建物の周囲に設定された滲み出しエリアに、積極的にコンテンツをはみ出させながら使ってもらい、一方で管理・運営も担ってもらう(こすぎコアパークの事例)
・施設単体の運営で事業収支を合わせるのは楽なことではない。だからこそポイントとなるのは、空間もマネジメントも、施設内・公園内に閉じないことだ。講演を中心に他の施設との連携を図り地元企業とのネットワークをつくりながら、中長期的、そして面的な目線で経営を考える。それは、やはり地域に責任を持つ地元企業だからこそできることではないだろうか(KURUMERUの事例)
Section3 重ねる
・空を凝らした魅力的な公園が全国各地に増える一方で、ナショナルチェーンの店舗を設置した公園や、校外のショッピングモールがそのままコピー&ペーストされたような施設が組み込まれた公園もいくつか現れてきた。・・・オープン当初は、一見華やかで目新しい公園ができたと湧き立つものの、じわりじわりとその地域がもともと持っていた魅力が失われ、地域の産業や経済構造にまで影響が及び、風景が均質化してしまうことにもなりかねない
⇒ 北坂戸はどうか。まさにそのおそれがあると思っている。それに対して何ができるか
・公園に対して、民間に自由に活用アイデアを提案してもらおう、とって行政側が完全な受け身でいると、条件設定が曖昧なまま発注を行うことになり、その結果、プロポーザル実施中や選定後の事業推進時にも双方の意向のすり合わせに莫大な時間を要してしまう
・民間活用を進める際に、行政は何から考えるべきか。「敷地主義」から「エリア主義」への転換である。公園の「敷地内」んい賑わいを生み出すという視点ではなく、公園の民間活用を通じて「周辺エリア」にどんな価値をもたらしたいのか、将来的に公園のある暮らしがどのように変化すると良いか、その未来像(=ビジョン)を描くことが重要
Section4 見立てる
・住民に投げかけたのは、未来の公園に「何が欲しいか」ではなく、そこで「何をしたいか」という問い。実際に公園でどんな時間を過ごしたいかをイメージしてもらうことで、住民が単に要望を述べるだけの受動的な住民説明会ではなく、公園をつくるプロセスに能動的に参加してもらう(みんなの公園の事例)
・この公園ができたことにより、野菜を販売したいという人や、マルシェを企画してみたい、広報物の作成を手伝いたいといった、「何かをやりたい」という思いを持った住民が多く現れた。それは公園に常に相談できるスタッフがいることや、実現できる場があることが大きい。公園の利用者から、主体的・能動的な住民がどんどん生まれてくるような空気があふれている(みんなの公園の事例)
CHAPTER2 PARKnize
Section3 L_インフラ
・公園の中で暮らす。団地の可能性は豊かな屋外にあり!
・団地のゆったりとした隣棟空間と緑豊かな敷地は大きな魅力。もはや団地で暮らすということは、公園で暮らすようなものでは?とすら思える。この魅力的なオープンスペースをさらに生かすために、そこを事業空間、賃貸空間、実験空間と捉えれば、団地の見え方が変わってくる
⇒ まさに!北坂戸団地でやりたいことの一つ。
CHAPTER2 Interview
・大人が余剰時間を使って自分の職場以外で何かチャレンジできる場所があると良いなと思っています。「未来の仕事」と言ってもいいかもしれない。会社だけに全力集中していると地域のことまで目が行き届かないし、業界内だけでしか通用しなくなってしまう
・地域の課題の解決や、地域の素材を使った事業など、生活の中で気づいたことを仕事に変えていってもらうこと
・体験型の消費行動は、車中心で編成されている道路よりも、歩行者で賑わいをみせる街路の方が好まれる
・店舗の多様性が高いエリアの方が、エリアとして売上が高くなる
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