2022年1月8日(土)16時~18時30分、ときがわ町にあるトカイナカハウスで開催された「ときがわ自然塾」(ときがわカンパニー合同会社の関根雅泰さんとトカイナカコンソーシアムの神山典士さんによる共催)にて、元文科省職員でカタリバ大学学長を務める寺脇研さんのセミナーが開催されました。
テーマは「地域を作る学校の魅力化」。
私はときがわ町のICT支援員を務めたり、島根県海士町などの高校魅力化には興味がありましたのでセミナーに参加しました。
ここでは寺脇さんのお話の中で印象に残ったことや私なりに考えたことを書き留めておきます。
まとメモ
寺脇さんのお話
・これまでに3度の大きな市町村合併があった。1回目は小学校をすべての市長村に配置するため、2回目はすべての市長村に配置するために行われた。しかし3回目はすべての高校を配置するためという議論は行われなかった。
→ 現在、高校のない市町村が3~4割となっている
・地域に高校が一つしかなくても、地元の高校に通う子が少なく、地域外に通う子が多い傾向がある
→ 地域とのつながりが15歳で切れてしまうことになりかねない
・「教育」はなんのため?
→ 「人格の形成」(教育基本法)
→ 人格形成期においては生まれ育った地域の影響が大きい
・修学旅行で京都に行く必要があるか?
→ 京都は今や世界的な「観光地」。かつてはなかなかそういう機会がないと行かなかったが、今は陸路や空路も整備されいつでも行ける場所になっている
・「東京に行くのはいいことだ」という価値観が残っている地域もある
→ 「地元に残っているやつはダメなやつだ」という考えにつながるのはおかしい
・人口が減ることが問題なのではなく、人口が偏在していることが問題
・「人が住んでいる」ということが一番の国土防衛
・北海道では、地方部の高校は先生の人数が少ない
→ 札幌の高校から授業をオンラインで配信して足りないところをカバーする取り組みが行なわれている
→ 少数の生徒、少数の教員の地域でも学校が成り立つ可能性(小学校~)
→ 子どもが遠くまで通うのではなく、教える側が来ればいい
・小学校がなくなった集落は活力が衰える
・地域の人と高校が良い関係を築くには?
→ 県立高校だとしても、県教育委員会に任せきりではなく、「自分たちのまちの学校」という意識で主体的に動くことが必要
→ 隠岐島前高校でも学校支援員を町が雇っている
セミナーを拝聴して個人的に考えたこと
●学校魅力化=地域魅力化
・地域の子どもが地元の高校に通いたくなるには何が必要か?
→ 地域の子どもが行きたいと思う高校はどんな高校か?
→ そのために何が必要か?
→ そのために地域ができることは何か?
・教育の問題を学校だけの問題にせず、地域全体の問題ととらえる
→ 県立だから県教育委員会だけが考えればいいというわけではない
→ 地域としてできることは何か?
・地域と学校とが関わり合う
・「地域学」の可能性と必要性
●地域の体験型コンテンツを修学旅行の受け皿に
・地域内の体験型コンテンツを出張工房化できないか
・地域を学ぶプログラムは、地域内の学校だけでなく地域外の学校にとっても教育旅行の受け皿コンテンツになりうる
・「〇〇がないから、ここではできない」ではなく、「△△があるからこそ、ここではできる」を考える
●「人の営みが行なわれている」ことが一番の地域保全
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