明覚小学校で2回目のICT研修を実施しました

10月からICT支援員として、ときがわ町の小中学校で先生方向けのICT研修を実施しています。

2021年2月10日(水)は明覚小学校での2回目の研修を行いました。
(情報担当の先生方との意見交換を含めて通算3回目)

いつものとおり昇降口で「ようこそ明覚小へ ICT支援員 栗原直道様、風間崇志様」の看板が迎えてくれます。
身が引き締まる一瞬です。

引き続きラーンネクストの栗原直道さんとともに。

模擬リモート授業にチャレンジ

前回まではチャット、ホワイトボード、ブレークアウトルームといったzoomの基本的な操作について、「参加者」の立場から学んできました。
今回はより実践的な内容ということで、「ホスト」としての役割にチャレンジしていきます。

画面の共有はホスト特有の機能ではありませんが、対象が先生方なので、「授業を主導する」という側面において、進行役を務めるという広い意味でのホストとしての役割を担っていただきました。

具体的な流れは以下の通りです。

・前回までの振り返り(チャット、反応ボタン、ミュート、ギャラリービュー・スピーカービューの確認)
・共有したい動画の検索、選択
・グループで共有する動画を1つ選択
・チャットに共有する動画のURLをコピペ
・1グループずつ持ち時間7分で職員室からリモートで授業を行う

感じられた確かな自信

開始間際にコンピュータ室に集まってきた先生方に、「URLをクリックしてzoomにアクセスしてください。ミーティングに参加できたらチャットや反応ボタンを試してみてください」と一声かけると、淀みなくzoomにアクセスし、チャットをカタカタ打ち始めました。

いかにもフツーにこなす姿を見て、「あ、これはもう大丈夫だな」と思いました。
最初の頃の「zoomって何?」みたいな不安などみじんも感じません。
ちょっとしたことかもしれませんが、確かな自信を感じました。

また、個人でzoomでの研修会に参加している先生方もいるとのこと。
すばらしい!
どんどん使っていくことで日常化していけるとグッと慣れますね。

zoomに慣れてきた

リモート授業の体験

非常にスムーズに基本操作の確認ができたので、早々とリモート授業に移ることにしました。

今回参加したのは校長先生、教頭先生を含む11名の先生方。
校長先生にはコンピュータ室と職員室を行ったり来たりして先生方の様子を見ていただくこととして、10名の先生方を3グループに分けます。

1グループ3、4人で、グループごとに持ち時間7分で職員室からリモート授業を行っていただきます。

まずは個人作業。
自分の関心のある授業に関連する動画を探してもらいます。
小学校はYouTubeがブロックされてしまうため、制約のある中での動画探し。
どんな動画がどこにあるのか、どうやって検索するといいのかの学にもなる作業です。

動画が決まったら、今後はグループで共有する動画を1つ決めていただき、7分間で児童役の先生方にどんな話をするのか、どんな働きかけをするのか、動画の何を見て、何を学んでもらいたいのかなどを話し合っていただきます。

それぞれの選んだ動画の説明にも熱が入り、皆さんお互いが選んだ動画を興味深そうに見ています。
ほかのグループの様子も伺いながら、どんな動画がいいかを決めていました。

各自が選んだ動画に興味津々

理科系の動画を選んだグループが多いようです。
動画が決まったら、その動画のURLをチャットに張りつけていきます。

準備ができたらいざ実践。
ジャンケンで順番を決めようかと思ったのですが、トップバッターの立候補を募ると真っ先にN先生が手を挙げてくれました。(素晴らしい!)
2番手も立候補が出たためスムーズに順番が決まりました。(ありがとうございます)

1番手のグループ。
理科の実験の動画でした。
食塩が水に溶けたら全体の重さはどうなるか?というもの。

「動画の合間でミュートにするタイミングやチャットを使うタイミングが難しかった」とN先生。
それでも話すスピードや動画が見えているか・音声が聞こえているかの反応の確認など、相手が子どもであることを想定したすばらしい進め方でした。

また、一番感動したのはコンピュータ室で児童役を務める先生方が、何もいわなくてもチャットで動画での気づきを書いたり、回答を書いたり、しっかり反応を返したりして、先生役の先生が話しやすい雰囲気をつくっていたこと。
このあたりの学ぶ場のつくり方はさすが!と思いました。
何より笑顔で楽しそうなのがいいですね!

OKサインを送る児童役の先生方

次は2番手のグループ。
同じく理科系の動画でした。
粘土の形を変えたら重さはどうなるか?というものでした。

この動画のようにモノの形が変わっても重さは変わらないというのが目で見て分かるというのは、子どもたちにとってわかりやすいでしょうね。
口でいっても内容は理解できても実感は得にくいです。
また実験するにもこれだけの準備をするのは大変です。
動画を使うことで手間や時間を省くことができそうです。

こちらでも先生役の先生方は役割分担をしながら、しっかり反応確認をとりつつ、上手に進めていました。
児童役の先生方もしっかり反応を返していました。

最後は3番手のグループ。
こちらは音楽系の動画でした。
NHKが提供している動画でしたが、なんと町内の萩ヶ丘小学校に通っている子の父親が出演しているのだそうです。
出前講座をしてもらったこともあるとか。
演奏も素晴らしいそうです。
こういう方が地域にいらっしゃるというのはすばらしいですね!

内容はタンブリン(タンバリンではなくタンブリンというそうです)の持ち方、トライアングルの持ち方を学ぶというものでした。
もちろん学校の先生が持ち方を教えてもいいのですが、プロの演奏家の方が教えるというと説得力が違います。
直接来てもらうのは大変ですが、こうして動画を使うことでプロの方の教えを学べるというのは大きいですね。

全体共有

最後はみんなで感想の共有。
(チャットの内容を抜粋)

N先生:同時にたくさんの作業があるので難しいです。汗

H先生: 実際にホストとして参加してみると多くの気づきがあるのででひ、今後も積極的に利用できればと思いました。家族は飲み会で使用しています

O先生: 相手側の音量や状況がミュートだとわかりにくいと感じました

S先生 : 実際に動画を使って模擬授業を行っていただいて、動画もそこまでズレがなく見やすかったです。

M先生 : 相手に届いているか確認が大切ですね。チャットでもいいし、サインでもいいです。

O先生: ホスト画面で動画共有時にチャット画面が見れないのは不便ですね。

O先生 : 授業中、一人で操作をするのは大変そうです。また、段取りなどの準備も必要だと思いました。

S先生 : やってみることで気がつくことがたくさんあると思います。

O先生 : ホストをやってみると、色々な操作がたくさんあり大変ですね。

H先生 : 体験することにより、いろいろな気づきがありました。動画を見せるときには全画面にした方がよいのですが、チャットがみられません。チャットは、時間をとって書かせるときなどに使うとよいかと思いました。あとはハンドサインで。

やってみていろんな気づきがあったようです。
まったく分からないという状況より、やってみてうまくいかないことや難しいことがあると分かれば、そこへの対処法を考えることができます。
課題をどうすれば克服できるのか、どう回避できるのかといった改善にもつながります。

これから1人1台端末の学校への配備が始まることになります。
zoomとは違うアプリを使ってのリモート授業を行うこともあるかもしれません。

でも「これまでのことがムダになった」とネガティブにとらえるのではなく、「使える選択肢が増えた」と前向きにとらえ、そこからよりよい学びをつくるために最適な組み合わせをいかに選択していくかという発想が重要なのではないかと思います。
外部のICT支援員として、そうした地域の先生方、学校、教育委員会のチャレンジをお手伝いしていければと思います。

学び上手、教え上手の先生方の姿から、引き続き私も学んでいきたいと思います!

明覚小学校の皆さん、ありがとうございました!