2022年12月10日(土)10:00~19:40、ときがわ町西平地区にある通称「やまなお山」において、「ときがわで山あそび」を開催しました。

山と人をつなぐ営業マンことやまなおさんと、森のフィールド学舎の石井さんとともに。

この日は昼の部、夜の部のダブルヘッダー。
昼の部は「山ビンゴと山のお茶づくり」、夜の部は「野生動物探し」です。

ここでは夜の部の様子を公開していきます。

昼の部の様子はこちらから。

闇の中で野生動物たちの気配に耳を澄ます

夜の部は「野生動物探し」。

参加者は2名でした。

この日のメインターゲットはムササビ。
雨が降らなければだいたい見られる動物だそうで、哺乳類では最も遭遇しやすいんだそうです。

動き出すのは日が暮れてからということで、それまでは山の中を歩いて観察ポイントに移動しつつ、「フィールドサイン」といわれる野生動物の痕跡を探していきます。

意外と多いフィールドサイン

歩いてみて気づいたのは、何気なく歩いている山道でも、気を付けてみてみると意外に野生動物の痕跡は多いということ。
ただそれを発見することが難しい。
また、見つけたとしても、プロの方がいないとそれが何なのか判別しにくいということがあるかと思います。

それがプロの方が一緒だと、いとも簡単にそれを見分けてしまうのがすごいですよね。
見分けるためのポイントも解説していただきました。

この日、見つけた野生動物(の痕跡)としては、主に以下のようなものがありました。

・キツネ
・リス
・イノシシ
・テン
・モグラ
・シカ

下見のときにはタヌキのフンなども見られたそうです。

野生動物を直に見る機会はなかなかないかもしれませんが、山の中には意外にというか、当然ながらというか、そこで暮らしている野生動物がこんなにいるんだということに気づかされました。

闇の中でムササビを待つ

ポイントに移動する間にだんだん暗くなってきました。

午後6時には真っ暗です。
木々の間から空の星が見えるくらいで、ライトがないと暗くて進めなそうです。

やがてポイントにつきました。
自然とみんな声をひそめてあたりを伺います。

石井さんがライトで照らすと、しっかりと巣穴を目視することができました。

ただ残念ながらこの日は巣穴に戻っていないようでした。

周囲を探してみることにしました。

声を極力出さず、足音を忍ばせてゆっくりと歩いて回ります。

すると、

「あ、飛んだ!」

石井さんの声。

残念ながらこの時ムササビが滑空するシルエットを見ることができたのは、石井さんと参加者のお一人だけでした。

ただ黙って耳を澄ませていると、飛ぶ前のクルルという鳴き声が聞こえたり、エサのカスやフンが落ちるパラパラという音が聞こえ、確実にそこにいるという気配を感じることができます。

しかしながら、残念ながらここではムササビの姿をとらえることはできませんでした。

ムササビのフン
ムササビの食べかす

終了時間のこともあるので、また来た道を通って元の場所に戻ることにしました。

闇に輝く2つの目の正体は・・・

帰り道にさしかかると、石井さんが立ち止まりました。

ライトで照らされた場所を見ると、来るときにはなかった黒い物体が落ちていました。
テンのフンでした。

私たちが通ってから、30分以内の間にここにフンをしたのだろうということでした。
こうしたニアミスにも、山の中にいる野生動物の存在を感じることができました。

山の中は本当に真っ暗で、時々、木の間から月の光が見えましたが、ライトがなければ確実に道に迷ってしまうでしょう。

途中、昔の闇を体験すべく、持っていたライトをすべて消してみました。
目が慣れるまでは本当に暗闇で、目の前に何があるのか、誰がいるのかさえわかりません。

純粋に「怖さ」を感じて動けませんでした。
(崖になっているところもあるので)

その一方で、暗闇になると目以外の感覚、特に聴覚を無意識に使おうとするようになるのが自分でもわかりました。
普段は目に頼りすぎているのかもしれません。

石井さんが持ってきていた提灯の明かりも体験してみました。
少しは周囲が見えるようになりましたが、見えるのは提灯の近くくらいで足元はおぼつきません。
少し離れたところは形もはっきりしませんでした。

こんな闇の中で動物の声などを聴いたら、天狗などの妖怪の姿を思い浮かべても不思議じゃないですね。

こういう自然に対する畏怖は忘れてはいけないものなのかもしれないと思いました。

もうすぐ元来た方への分かれ道にさしかかろうとするころ、後方にいた3人が木の上からかすかな音がしたのに気づきました。

私がとっさにライトを向けると、そこには光る2つの目が!

なんとムササビでした!

予想以上にずっと大きいです。
正直、ムササビの姿は図鑑でしか見たことがなかったので、あんなに大きいとは思いませんでした。

しばらくみんなで観察していましたが、こちらを伺っている様子で滑空する姿は見られませんでした。

でも最後の最後で念願のムササビに出会うことができ、忘れられない体験になりました。

元の広場に戻って、温かいコーヒーを飲みながら軽く振り返ります。

参加者それぞれ、楽しさと驚きを体験していただけたようです。
Dさん、Oさん、ありがとうございました!

(夜の部)参加者の皆さまの感想

・こんな近くでムササビが見られるのかと半信半疑だった。見られてよかった
・こういう自然は残さないといけないと感じた
・日頃のストレスが癒されて、明日からまた頑張れそう
・暖かい時期なら、子ども向けの夜の散策ありかも。野生動物を見せたい親もいるが、なかなか家族だけだと来られないし、わからない。ガイドの方がいると安心
・野生動物はこんな暗い中で生きているんだと自然の中にいると気づかされる
・予定調和どおりには「見られない」という体験もよかった。見られたら、いつでも簡単にみられるものだと思ってしまう
・いっぱい動物がいたら怖いけど、ちょっとだけいるのがいい
・私たちが通った直後のものと思われる動物の痕跡に感動
・いつもは偶然見かける程度だが、今日はプロのガイドで探して見られた
・季節ごと、マンスリーでもいける
・違う山でも見てみたい
・野生動物が何かに気づいたときに警戒している緊張感のある姿が好き。厳しさと強さ

次回に向けた改善点

・何をどの程度用意したらいいのか伝わりづらかった
・荷物の置き場所があるのか、リュックに全部入れていくのか伝わりづらかった
・「軽食」がどの程度なのかわかりづらかった
・集客面の工夫は必要
・イベントに来たお客さまに、次回以降の予定を伝えられるといい

メルマガ「月刊 地域でしごとをつくるマガジン」を発行しています

毎月はじめに、メルマガ「月刊 地域でしごとをつくるマガジン」を発行しています。

前月に取り組んだ各プロジェクトの状況、一般社団法人ときがわ社中の活動、地域でのしごとづくりに役立つ本のご紹介、今後の予定などをまとめています。

サンプルや登録フォームはこちらのページからご覧いただけます。

もしご興味ありましたらぜひご登録ください^^