馬ふん堆肥活用に向けた研究発表(金曜日班1グループ)

2022年10月7日(金)9:15~11:00、筑波大学附属坂戸高校にお邪魔して、選択科目「農業研究」での馬ふん堆肥活用プロジェクトの研究計画発表を聴いてきました。
この日は金曜日班の発表。

金曜日班からは

  • 馬ふんを用いた循環型農業をときがわ町から実現していく
  • 馬ふん和紙

という2つのテーマについて発表をいただきました。

なんと、馬糞堆肥とは!

すさまじく破壊力のあるテーマです笑

金曜日に「農業研究」を履修している生徒さんは5人のため、当初は1グループ1テーマでの研究を予定していましたが、生徒さんからの「どうしてもやりたい!」という強い希望があったそうです。
自分のやりたいことをしっかり主張する生徒さんも、容認する先生方もすばらしいですね!

馬糞を用いた循環型農業をときがわ町から実現していく

最初の発表は「馬ふんを用いた循環型農業をときがわ町から実現していく」というテーマ。

馬ふん堆肥を使って、メンバーが大好きな青シソを栽培するそうです。
ときがわホースケアガーデンの馬ふん堆肥と他の馬ふん堆肥との比較、普段高校の農場で使用している堆肥などとの比較といったプランが出されました。

この日は愛媛大学附属高校から視察に来られた先生方が傍聴しており、筑坂の先生方とともに研究に向けたアドバイスもありました。

先生方から、「青シソは今の季節だと大きく育たないのでは」「堆肥の成分割合の意味は?」「使う堆肥の量の根拠は?」などといった厳しい指摘もありました。
生徒さんも必死に考えながら、対応していました。

馬糞和紙

2テーマ目は「馬ふん和紙」

ときがわ町には谷野裕子さんという和紙職人さんもいますし、ときがわ町の隣には和紙で有名な小川町もあるので、非常に興味を引きます。

やはりインパクトは大きく、タイトルが出たとたん先生方がどよめきました。

馬ふん堆肥ではなく、馬ふんそのものを活用しようという内容で、馬ふんに含まれる繊維質を活かして和紙をつくろうというものでした。

象のふんを使った和紙の事例があるということで、そこからの発想だそうです。
おもしろいですね!

馬ふん和紙の用途としては、はがき、折り紙、しおり、ブックカバー、マスク、ろうそくなどが挙げられました。

これに対しては先生方から、「馬ふんで作ったマスクはつけたいと思うかなあ」との指摘もありましたが、マスクはともかく馬ふん和紙というインパクトの大きさには可能性を感じますね。

これからの研究が楽しみです!

筑坂株式会社×ときがわ町

2限目は「販売実践」の授業を見学しました。

2学期のテーマとして、なんと「ときがわ町との連携」を加えていただけることになったそうです。

馬ふん堆肥活用で連携がはじまったことからのつながりで、めちゃくちゃ嬉しいー!!

こちらの授業では、生徒さんたちが「筑坂株式会社」として起業し、商品を開発して実際に販売を行うことを実践しています。
形を変えながらもう20年ほども続けてこられたそうです。

この日は5つのグループに分かれ、それぞれ割り当てられた以下のテーマについてアイデア出しを行いました。

  • ときがわ町×筑坂 うどん販売
  • ときがわ町×筑坂
  • 筑坂の小麦で商品開発
  • 新しいプロジェクトを考えよう

最初は会話しながら考え、そのうち静かに一人一人が個人作業で付箋にアイデアを書き始めました。
が、アイデアに行き詰まるとしだいに周りの人との対話が生まれ、そこからアイデアが膨らんでいく様子がうかがえました。

その間、先生方は見守るだけ。
助言も一切なしで生徒さんたちに委ねていました。

テーマの抽象度が違うので苦労しているグループもありましたが、中にはおもしろそうなアイデアがたくさんありました。

この後はワールドカフェ方式で共有していくとのことです。

ブレスト好きの私は見ていると口を挟みたくなってしまうのと、お題が出されてウズウズしてきてしまったので、自分も一緒にアイデアを考えていました笑

こちらもこれからが楽しみですね!

感想

2つの授業を拝見して印象的だったのは、先生方はざっくりしたテーマは投げかけるものの、その内容に関しては生徒さんが自分で考えるように進められていたことです。
先生方は決して答えを教えるのではなく、自ら考える機会と時間をつくる姿勢が感じられました。

筑波大学附属坂戸高校では、2年生はグループでテーマを設定して研究するTGAPがあり、3年生の卒業研究ではすべて1人でそれをやることになるそうです。

グループでの活動から個人の活動へと、自分で考え、実行するということができるようになるためのステップが設けられているんですね。
本当にすばらしいと思います。

導入した最初の4、5年は大変だったといいますが、今ではこうした研究活動をやりたくて筑波大学附属坂戸高校に進学してくる生徒さんたちが半数近くいるんだそうです。

「農業研究」、「販売実践」の2つの授業の今後、生徒さんたちの研究と実践がますます楽しみになりました。

筑波大学附属坂戸高校の皆さま、ありがとうございました!