2023年10月14日(土)、東松山市のまちラボにて、筑波大学附属坂戸高校の生徒さんによる自主活動団体マルカートによるプロジェクト発表会&試食会が開催されました。
テーマは「食品ロス」
東松山市の学校給食による食品ロスの問題に注目し、食品ロスの削減と食育を掛け合わせた「クリエイティブクッキング」の取り組みです。
日頃からお世話になっている松本さんが主宰されているまちラボと筑波大学附属坂戸高校、関心のある食品ロス、食育がテーマということで、行かない理由が見当たりません。
土曜日だったので4歳の息子を連れて、電車に乗って散歩がてら参加してきました。
すばらしい取り組みだと思いましたので、以下、差しさわりのない範囲で発表会の様子を書き留めておきます。
マルカートさんの活動を少しでも広めるお手伝いができればと思います。
プロジェクト発表
●原体験
・中学生のとき、休みの人が多く余ったパンの袋を開けて食缶の中に入れて捨てた。もったいたい
・友人に話したところ、「そう?」という反応
・食品ロスの意識が希薄
●学校給食における食品ロス
・学校給食だけで年間5万トン
・1人あたり17.2kg(調理残渣5.6kg、食べ残し7.1kg、その他4.5kg)
・主な理由としては、「嫌い」「食べる時間が少ない」「味が苦手」
・学級閉鎖や長期休みで提供できなくなった食品もロスになってしまう
・比企郡内の中学校で食品ロスのことを知らない生徒が46%もいた
●クリエイティブクッキング
・現在はフードバンクから提供を受けた食材を利用
・子どもたちと一緒に料理することで食育にもなり、食品ロスの問題を知ってもらえる
・参加費500円。有料とすることでビジネスの道も
・レシピをもとに、これをつくりたいからそのための材料を集める(買う)となりがち
→ 今ある材料で何がつくれるかを考える力が鍛えられる
〇参加者の質問
Q 学校給食用として納められた食材を提供してもらうことは問題ない?
→ 一度給食で提供されたものは法律で不可。給食で提供する前の未開封食品などは利用できる可能性がある
Q 食品会社、小売店などに賞味期限切れの食品を提供してもらうことは可能?
→ 賞味期限であれば問題ない。消費期限切れは不可
Q 自校式とセンター式で違いはあるか?
→ 自校式では直接、栄養士さんが児童・生徒と話したり、残渣の量を見ることができる。給食の時間にコミュニケーションをとることもある
〇参加者の意見
・オランダにはインストックという廃棄食材のみを使ったレストランもある。調理体験だけでなく、行けば食べられる飲食店というのもありなのでは。
・調味料などは大容量のものもあり使い切れない。食品会社に対して、適切な量やパッケージの提案(コンサル)をするというやり方もできるのではないか。
クリエイティブクッキングの料理試食
この日は以下の5品を試食することができました。
- そばめし・・・カップラーメン+パックごはん
- ブルーベリーミルクケーキ・・・ブルーベリージャム+ココナッツミルク+防災用クラッカー
- いちごミルクゼリー・・・いちごジャム+ココナッツミルク+ゼラチン
- カフェラテプリン・・・コーヒー+ココナッツミルク+ゼラチン
- フィットチーネ・・・フィットチーネ(高栁製麵所さん提供)+ひよこ豆+タコスソース
フィットチーネ+カレー塩
いろいろ種類があって楽しいです!
今回は試食だけでしたが、これをみんなでワイワイやりながら作るのも楽しそうだと思いました。
またそこまで手の込んだ料理ではなく、子どもでも簡単にできそうなものばかり。
自分で調理をしてみることで、食品ロスの問題を知ったり、作り手のことを考えたりするいい機会になるのではないかと思います。
感想
内容もすばらしいものでしたが、それ以上にすばらしいなと思ったのは、マルカートの皆さんの活動は高校の授業とはまったく関係がなく、自主的な活動であることです。
活動の発端は1年次で自分の興味や社会の出来事を掘り下げたことだったといいますが、調べて終わりではなく、こうして行動にまでつなげてしまうのがすごいなと思いました。
お世話になっている同校の先生にも連絡してみたら、今回の発表のことはもはや先生たちも知らなかったそうです。
同校の生徒さんたちは、高校の中とか外とかは関係なく、やりたいことを行動に移すのが当たり前になっているんですね。
もちろん生徒さんが自主的にやっていることだから、高校としてはまったく知らんぷりということではなく、高校の施設を使ってクリエイティブクッキングのイベントも開催予定ということで、高校側のサポートもあるようです。
生徒の皆さんの自主的に行動する力と、それを可能にする高校の見守る姿勢がすばらしいと思います。
ますます筑坂とマルカートの皆さんのファンになりました!
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