2022年11月16日(水)10:00~11:00、筑波大学附属坂戸高校の畑で馬ふん堆肥の実験を見学しました。
同校の「農業研究」の授業では、ときがわホースケアガーデンの馬ふん堆肥を活用に向けた実験に取り組んでいます。
10月に5つのグループから実験計画の発表があり、10月の後半から実験がスタートしたと担当のS先生からご連絡いただきましたので、途中経過を見せていただくことになりました。
10時すぎに高校にお邪魔すると、S先生に畑に案内していただきました。
以下、生徒さんたちからお聞きした各グループの実験内容について記録しています。
(皆さん、ありがとうございます!)
雑草グループ
まずは温室の雑草に関する実験から。
馬ふん堆肥と高校の畑の土をプランターに入れ、それぞれ生えてくる雑草を調べるという実験です。
それぞれ複数のプランターが用意されていましたが、馬ふん堆肥を使用したものの中には、まったく雑草が生えてきていないものがありました。
雑草の種が含まれていても、堆肥ができるまでの発酵熱で発芽しにくい状態になっているのかもしれないということです。
ほかのプランターにはすべて雑草が生えてきていました。
どんな雑草が生えてきたのかはこれから調べるそうです。
結果が楽しみです!
小松菜グループ
3種類の馬ふん堆肥を使って、小松菜の比較栽培をするという実験です。
使われていたのは以下の3種類。
- ホースケアガーデンの馬ふん堆肥(おかくずが主体)
- 市販の馬ふん堆肥(競走馬)+ワラ
- 市販の馬ふん堆肥+もみ殻
現状としては、
- 1は葉が一番大きくて丸い、虫食いが少ない。最初は発芽しなかったものの、実験開始から3週間くらいして発芽してきたものがある
- 2は葉の形状が細長く、そこまで大きくない
- 3は大きい葉と小さい葉の差があり、虫食いが少ない
ということです。
そこまで明確な違いは見えていませんが、これからどんな違いが出てくるのか、あるいは出てこないのか楽しみですね!
ビーツ・かぶグループ
馬ふん堆肥に含まれるアントシアニンという色素に注目して、使う堆肥の種類によって作物の発色にどのような違いが出るかを調べようという実験です。
使う堆肥は以下の3種類+堆肥を使わない土。
- ホースケアガーデンの馬ふん堆肥
- めばえ(高校で使っている堆肥、食品残渣からつくったもの)
- バーク堆肥(牛ふんと落ち葉からなるもの)
- 堆肥を使用しない
今のところでは馬ふん堆肥は発芽率が低いものの、葉が一番大きく成長しているようです。
12月中旬頃の収穫予定とのことで、味や発色にどのような影響が出るか楽しみです!
きのこグループ
馬ふん堆肥にきのこの菌が含まれているか、馬ふん堆肥がきのこの栽培に向いているかどうかを調べる実験です。
馬ふん堆肥を一定の環境下に置き、菌の繁殖やきのこが発生するかどうかを調べていきます。
高校にある装置を使い、菌類が活性化する最適温度である25度に保ちます。
あとは定期的に水をやって湿度を保つだけ。
始めて一週間くらいは変化は見られなかったそうですが、今はカビに似た白い粉のようなものや黄色の粉のようなものが発生していました。
これがカビなのか、きのこなのか、これからさらに待つ必要があるとのことです。
ひたすら待って観察するという根気のいる実験ですねー。
こちらも要チェックです。
土壌生物・微生物グループ
馬ふん堆肥に含まれる土壌生物の量や微生物の活性度を調べる実験です。
この日見た中では、一番見た目が「実験」という感じがしました笑
(単なる見た目のイメージです。)
馬ふん堆肥と比較しているのは、バーク堆肥とめばえという堆肥。
土壌生物の量は、光を当てて、熱に耐えきれなくなって下に落ちた土壌生物を数えます。
これもなかなか根気のいる作業です。
よく見ると触覚なども見えるそうです。
土壌生物の量としてはめばえが一番多く、次が馬ふん堆肥、最後にバーク堆肥という順でした。
一方、微生物の活性度はタンパク質でできた特殊なフィルムを使って調べます。
微生物が活発に活動していると、このフィルムが透明に変わるそうです。(微生物が有機質を分解する)
この結果、馬ふん堆肥が一番微生物の活動が活発である傾向が出ているそうです。
次がバーク堆肥で、最後がめばえの順。
土壌生物が一番多かっためばえが、微生物の活性度は一番低い傾向でした。
もちろんまだはっきりしたことはいえませんが、馬ふん堆肥では目には見えない微生物がよく働いているといえるのかもしれないとのことです。
これはおもしろいですね!
結果が楽しみです!
===
これらの実験は12月まで続き、その後は結果のまとめに入る予定です。
またそのころにお邪魔したいと思います。
これからがますます楽しみになる見学会でした。
筑波大学附属坂戸高校の皆さま、ありがとうございました!