まなびしごとLABの風間です。
こんにちは!

2024年10月12日(土)、早稲田大学で開催されたシンポジウム「これからの大学の地域貢献を考える」に参加しました。

2024年度から全学を対象とした副専攻として「地域連携・地域貢献」が新設されたことを記念するシンポジウムとして開催されたものです。

備忘録として、差しさわりないと思われる範囲で内容と気づきをまとメモしておきます。

シンポジウム「これからの大学の地域貢献を考える」

開催あいさつ

・早稲田大学の3大教旨
①研究ー学問の独立
②教育ー学問の活用
③貢献ー模範国民の造就

・2024~ グローバル・シティズンシップ・センター開設
・2024~ 副専攻「地域連携・地域貢献」スタート
・2018~ 入試制度「地域探究・貢献入試」若干名を募集
・副専攻「地域連携・地域貢献」は専攻分野の学問と実践の両輪で実施
・地域ワークショップは職員主体で実施

基調講演「早稲田大学の地域連携・地域貢献 これまでとこれから」

講師:早稲田大学准教授 同副専攻コーディネーター 加藤基樹 先生

(1)現場の視点から
①東日本大震災でのボランティア活動
・事前講習の実施 → 現地や関係者との調整(宿泊、食事など) → バスで教職員と学生 → 事後のふり返り
・学生の想いやボランティアマニュアルなどをブックレットにまとめ、出版
・単位として認めるか否かが議論になった
・単位として認めるか否かを判断するのは大学の役割

②ワークショップ、スタディツアー
・自治体から宿泊、交通費のサポート(地域によって条件は異なる)
・ワークショップ実施後、東京に戻ってきて自主イベントを開催したり、事業終了後も活動が継続している事例もある
・地域ワークショップに加え、スタディツアーも開設
・スタディツアーはワークショップよりも短期間での実施。参加する上での心理的・物理的ハードル、負担を低減するため

③地域連携教育
・2018~ 地域連携入試スタート
・2024~ 副専攻「地域連携・地域貢献」スタート
・2024~ グローバル・シティズンシップ・センター開設
・地域で活躍する人材を早稲田大学で育成する
・オリジナル科目「地域連携学」

→ 学習プログラムとして確立、体系化しているのが特徴
→ 実践にとどまらず、学問、プログラムとして確立すると権威が生まれうる

(2)大学と地域連携
①大学の地域連携の取組
・大学の役割 研究+教育+貢献
・2006年 教育基本法
・2007年 学校教育法
・2008年 国立大学「行動の指針」
・2016年 国立大学を3つのグループに分類(文科省)
  卓越大学 16大学
  専門大学(専門分野の特性)15大学
  地域貢献大学(地域に貢献する取組) ①②以外の大学 55大学
・大学を対象としたアンケート 「学生の地域貢献」の目的
  「コミュニケーション能力」、「課題発見能力」、「大学の社会貢献の一つとして」が多い
  学生の成長にも期待していることが伺える

ゲスト講演① 「地域貢献と大学の役割 地域の行政の視点から」

講師:山形県西川町 町長 菅野大志 氏

・人口5000人弱
・国家公務員(本業)+部活動(あきんど) ETICなど
・地域創生のキーワード
  行政という組織として 「挑戦」「寛容性」
  個人として 「つながり」「体験」

ゲスト講演② 「地域貢献と大学の役割 地域の校友の視点から」

講師:株式会社気仙沼商会 代表取締役社長 高橋正樹 氏

・東日本大震災により事業所の大半が被害
・早稲田大学による地域ボランティア
・「微力だけど無力じゃない」
・マンパワー、第三者からの支援、前に進むきっかけ、子どもたちの夢・未来、高齢者の希望・励み・勇気など、計り知れない影響があった
・平時における連携と有事における連携の在り方のポイント
 ①地域と大学双方の体制づくり 
 ②連携のテーマ
・平時では、なぜその地域なのか・なぜその大学なのかの理由付けが難しい
・平時は必要性に迫られないので連携が難しい
・ポイント
 ①目的 できること、できないことを明確にする
 ②欲しいもの、提供できることを示す
 ③窓口、推進役を定める(単なる一担当者ではなく)
・これからの地域の課題
 ①労働力不足、DX投資の遅れ
 ②交通弱者対策
 ③地域の維持運営
・「全国どこでも早稲田の仲間がいる」 

→ 校友ネットワークがあることの強み
→ 同郷、出身校など共通点によるネットワークを活かす

ゲスト講演③ 「地域貢献と大学の役割 民間企業の視点から」

講師:楽天グループ株式会社 地域創生事業ジェネラルマネージャー 塩沢 友孝 氏

・地域創生のキーワード
 ①DX
 ②Well-being

学生による地域貢献活動の紹介

【Aさん】
・岡山県自治体での地域連携ワークショップに参加
・事前調査、オンライン、3日間の現地調査
・動機
 ①国際課題に興味
 ②実践活動に参加したい
 ③自国の課題をしっかり把握しておきたい
・当事者意識、地域貢献への意欲は時間とともに薄れる
・継続的に関われる仕組みがあれば意欲が高められる
・活動が継続することで地域への貢献度が高まる
・大学のプログラムのメリット
 ①自分の課題意識にアプローチしている感覚が得られる
 ②知識、ノウハウの獲得
 ③モチベーションの高まり

【Bさん】
・広島県出身
・人口約1200人の自治体、9割が森林
・大学に進学するという選択肢がなく、多くは高校卒業後に就職する
・都市部との教育格差を感じた
・地域の魅力を観光資源にしたいと高校時代から活動
・地域探究入試で進学
・地域活動を担う人材育成の受け皿に

【Cさん】
・青森県出身
・ミッション「祭りで千年続く国をつくる」
・高校時代から活動
・「おまつりカレッジ」
 地元の中高生が祭りを英語で学ぶ
・「おまつりインターンプロジェクト」
 大学生が対象
 夏休み期間を利用して地元の民間企業でインターンシップ
 夜はまつりの担い手として活動

→ おもしろい!
→ 民間企業の採用活動としてのインターンシップと地域活動・地域人材育成の組み合わせ

・「結の芽」
 地域連携の基盤づくりを試みるプロジェクトチームを発足
 ノウハウの共有
 地域のローカルエコシステムの構築
 人材ネットワークの構築
 本気で取り組む学生がアクセス可能になる

→ こちらもすばらしい取り組み!

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